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自力解決か、プロに頼るか。相続問題を弁護士に依頼するメリットとは?

法律のプロが教える、相続と遺言の豆知識 第3回

弁護士に依頼をしてもしなくても、
自分の思い通りにはいかないもの

 もっとも弁護士を立てれば万事上手くいくかといえばそうでもありません。スピード解決にも限界はありますし、無理なものは無理と諦めることも必要です。

なかなか進展しない裁判にもやもやすることも多いのが相続の問題。

 調停は月1回のペースで進みますので、せっかちな依頼者はもだえ苦しみます。弁護士の依頼しているものの、自分でも四六時中、相続のことを考えます。
 インターネットでも情報収集に余念がなく、「こんな解決があるそうだが、どうか?」と、共同で事件をお受けしている別々の相続人から、メールで同じ内容のご質問をお受けすることもあります。
 相手方代理人との直接交渉を望み、制止を聞かずに電話をかけてしまい相手方代理人のつれない態度に腹を立てて、徒労感を感じる依頼者もいます。最後は精神的に疲弊しきって、すべてが思い通りにはならないことを遅まきながら自覚します。紛争になっているという現実を、どこまで受け止められるかが重要なのです。

 医者の手術も弁護士の裁判も、ともに不確定要素が絡みます。医者や弁護士自身の技量が適切であることを前提にすると、医者のリスクは病状に対する把握の不完全性に大きく依存するのに対し、弁護士のリスクは当事者や調停委員、裁判官など関係者の心理状態に大きく依存するのです。
<『相続の抜け穴 遺言の落とし穴』(長谷川裕雅)より抜粋>

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長谷川 裕雅

はせがわ ひろまさ

東京永田町法律事務所代表。弁護士・税理士。早稲田大学政治経済学部を卒業後、朝日新聞社に入社。記者として多くの事件を取材する。その後、一念発起して弁護士へ転身。弁護士・税理士として争族と相続税をトータルに解決できる数少ない専門家として、相談者から絶大な信頼を集めている。主な著書に『磯野家の相続』(すばる舎)、『波平は「相続」であわてない! 磯野家に学ぶ33ヶ条』(文藝春秋)、『相続で泣きたくなければ不動産のしくみを知りなさい!』(PHP文庫)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)などがある。


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  • 長谷川 裕雅
  • 2014.04.16