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上司から「学生レベル」と思われてしまうのはまさかの、❝あの❞口ぐせ。

上司も部下も必読。「残念な人」の口ぐせ②

 頭は悪くないのに、仕事ができない──。そんな残念な人には共通の「口ぐせ」がある。
 「モノの見方」や「考え方」「心の持ちよう」が潜む「口ぐせ」は、さながら頭の中そのものだと言っていいだろうーー。
 そんな視点で話題を呼ぶ、ベストセラー作家でありビジネスコンサルタントでもある山崎将志氏の新刊『残念な人の口ぐせ』より、上司や部下から「わかる!」「こういう人いる」と共感の上がった口ぐせを紹介する。

■口ぐせ「弱点を克服したい」→社会人の受験生的な発想法
~実は長所を伸ばすことでしか、収益には結びつかない~

「弱点を克服したい」「苦手をなくしたい」と言う人が本当に周りに多い。人前でアガってしまうのを何とかしたい、数字が苦手なので会計を勉強しなければと言う。

 しかし、弱点をなくしたところで、仕事は上手く行かない。仕事が上手く行くかどうかは、「よいところ」があるかどうかなのだ。
 学校の勉強、特に受験勉強であれば、弱みを克服することがその本質である。

 なぜなら受験勉強は範囲が明確に定まっている上、100点という上限がある。だから、極端な話、100点を取れるようになったら、その教科はそれ以上勉強しなくてよい。他の40点や60点の教科に集中しなければならない。

 しかし、仕事の世界では「よいところ」からしか収益は生まれない。そして、その「よい」の基準が、常に上がっていく。

 周りに100点を取れる人が増えてくると、次は150点が新しい満点となる。その一方、必死で頑張って40点を80点にしたところで、残念ながら一円の収益も生まない。

 これはとても重要なポイントだ。

 買い物をするときのことを考えてみよう。あなたは100点満点の商品を求めているはずだ。同じ値段で、機能や質感が100点の商品と、80点の商品が並んでいたら、どちらを買うかは明白だろう。あなたに80点の商品を買ってもらうためには、値段を下げるか、101点以上を目指す以外にない。

 そして、あなたが比較している商品の横には、30点の商品が、ものすごい改良を加えられて60点になって並んでいたとしても、気付かないだろう。

 くり返すが、仕事の世界では、長所を伸ばすことでしか収益に結びつかない。

 

 もちろん弱点の克服も必要だ。面白いゲーム機だけどバッテリーの持ちが悪かったり、飲食店で水周りが汚なかったりしたら、お金をかけて改善したほうがいい。

 しかし、比較の順番としてはゲーム機自体が卓越して魅力的だったり、味やサービスを求める来店客が絶えなかったりするほうが先だ。

 つまり、長所が先になければ、弱点を克服しても無意味なのだ。

 また、仕事は勉強と違ってチームで行うものだ。自分に30点のところがあるとしたら、その改善に多大な労力を費やすのではなく、チームを組んで得意な人に補ってもらうほうがよい。
 とにかく、強みを伸ばすことが重要だ。仕事で必要な能力の範囲は膨大だ。全部やろうと思ったら、人生が何回あっても時間が足りない。

 もうひとつ、弱みについてひとつ補足しておきたい。強みがあるがゆえの弱み、というものがある。
 たとえば、好奇心が旺盛な人は飽きっぽい。そういう人が、飽きっぽい自分を克服しようとすると、長所である旺盛な好奇心がなくなってしまう恐れがある。

 以上は、ビジネスの基本だ。もしこの記事の読者が今年入社したばかりのフレッシュマンであったら、やや厳しい話に聞こえたかもしれない。しかし、弱点の克服に何年も時間をかけ、まったく成果を生まないビジネスマンにならずにすんだ。これは相当にラッキーである。

 弱みに悩んでいるのなら、視点を変えて、その裏にある卓越した強みを探してみてはどうだろうか。【『残念な人の口ぐせ』より構成】

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  • 山崎 将志
  • 2017.04.08