痛みの専門医がコッソリ教えてくれた。繰り返す「痛み」が軽減する5つの習慣 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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痛みの専門医がコッソリ教えてくれた。繰り返す「痛み」が軽減する5つの習慣

痛みの専門家•伊藤和憲先生が伝授する「痛みのセルフケア」<10>

【習慣2】食事

肥満度が高いほど痛みは強い!?
食事の量と内容を見直そう

 毎日の食事は体の調子を整える基本です。食べ物は薬と違って即効性はありませんが、バランスのよい食事を続けていれば、必ず体は応えてくれます。一日三食、栄養バランスの取れた食事へと変更するなど、食生活を見直すことで、痛みをはじめとする体の不調が予防でき、軽減させることができます。

 実際、肥満度をあらわすBMIという指標が高い人ほど、痛みが強い傾向があることが知られています。また、体の痛みを抑えてくれるセロトニンなどの物質は体の中でつくられますが、その材料となるトリプトファンやビタミンB6、鉄分が食事から摂取されないとセロトニンは産生されません。このように、食事の量や内容は痛みをコントロールする上でとても大切な要素です。

 実際、一日1200キロカロリーの食事を6カ月行なうと、痛みやうつ状、不眠などの睡眠障害が改善できたという報告があります。しかし、栄養素を考えずに、無理にカロリーだけを抑えると逆に痛みが悪化してしまうのです。ちなみにトリプトファンはバナナや牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、豆類、白米やそばに含まれています。また、ビタミンB6はレバーや肉類(鶏肉・豚肉)、豆類、バナナなどに、鉄分は魚類や肉類(鶏肉・豚肉)、レバー、豆類などに含まれています。

人工甘味料の摂取を控えると
痛みや不調が軽減する!?

 要は主食・主菜・副菜が揃った、きちんと栄養の摂れる食事をすればいいわけです。栄養素に関しては個人によって体格差もあれば活動量も違うので、必要な栄養素は異なるものの、まずは自分自身の食生活を振り返って、何の栄養素を摂りすぎているのか、または不足しているものは何かを探ってみましょう。朝食抜きの生活や

 外食ばかりの食生活、コンビニ食中心の食事などは栄養面も偏るため、おすすめはできません。また、人工甘味料などの摂取を控えると、痛みや不調といった症状の軽減が認められたという報告もあるように、体に安全で品質のよいものを摂るように心がけてください。

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伊藤 和憲

いとう かずのり

明治国際医療大学教授。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。大阪大学医学部生体機能補完医学講座特 認研究員。1972年生まれ。2014年4月、厚生労働省の科学研究費を得て「慢性痛患者のためのセルフケアガイドブック」を作成。明治国際医療大学京都桂川鍼灸院「mythos361」 院長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導。また、地下鉄サリン事件やJR福知山線脱線事故の被害者の「痛み」ケアにも当たっている。専門家や一般市民に向けて年に50回以上の講演を行なっている。


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  • 伊藤 和憲
  • 2017.01.21