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「お前のその肩では、1軍ではキャッチャーとして通用しない」“凡人”だったからこそ、ノムさんは苦労の大切さを知っている

ノムさんの教え2/2

野村克也元監督が教える苦労することの本当の大切さ

 

 野村克也元監督にはたくさんの著書がある。そのひとつ「凡人の強み」より「苦労の大切さ」について紹介したい。野村元監督が伝えたかったこと、それは、苦労することの大切さであり、なぜ苦労が大切かを言えば、「思考」「感性」「勇気」の3つが磨かれるからであると言う。

 昔から言われる「苦労は買ってでもしろ」の意味が、野村元監督の言葉で初めて具体的に見える人もいると思う。
 野村元監督の人生は、苦労の連続であったと振り返る。

 プロ野球選手を目指したのは、何とか貧乏生活から抜け出したいと考えからであり、母を楽にさせたいと考えたからであった。入団テストで南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に合格した野村監督だったが、1年目のシーズンオフにいきなり解雇通告を受けている。

 しかし、せっかく貧乏生活から抜け出すチャンスを得たのに、簡単にそれを手放すわけにはいかない。何度も球団職員に頭を下げて、最後に相手を根負けさせる形で契約延長を認めさせたのだが、今度は2軍の監督にキャッチャーからファーストへのコンバートを命じられる。

「お前のその肩では、1軍ではキャッチャーとして通用しない」と通告されたのだ。
 肩が弱いということは自覚していた。それだけに暗澹たる気持ちになったが、ここであきらめるわけにはいかなかった。

 このとき、野村元監督は、当時タブーとされていた筋力トレーニングによってそれを克服する。
 当時のことを野村元監督は、こう振り返る。

「野球選手としての道を切り拓くためには、肩が弱いという弱点を克服しなくてはいけない。そのためには新しいことへの挑戦をためらっている場合ではなかった」と。

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