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片づける基本はココロの整理から

片づける勇気2/2

片づけられないのは、ココロの問題

『片づける勇気』著者の 佐原先生。

私を含めて、「モノを片づけられない」人の傾向として、「捨てられない」という心理的影響が大きく働いている場合が多い。

「いつか使うかもしれない……」という思いから手放せないでいるのだが、ほとんど場合は「いつか」は来ない。

まず使うことはない。

片づけ本の多くは「使わないモノは捨てましょう」とあり、その基準として、「一年使わなかったモノは使わないモノです」とある。

そんなモノは、迷わずに捨てましょうということなのだが、問題はそう簡単ではない。

ここでアドラー心理学の登場である。

アドラー心理学には、いくつかのキーポイントがあるが、『目的論』はその中でも重要な考え方である。

一般的に問題が発生すると、人は『原因論』で考えがちだ。

たとえば、部屋が片づかない原因は何かを探っていくと「モノが多くてあふれているからだ」という原因を探すのだ。

なるほど片づかないのはモノが多いのが原因だから、モノを増やさないようにしよう。

そう考えるだけで問題が解決されるなら、もともとその人には整理・収納の才能があったに違いない。

 

アドラー心理学のポイントは『目的論』

 
 

それだけでも、なんとなくココロが整理された気にはなるのだが、実は『原因論』では問題は解決されないのだ。アドラー心理学では、この場合『目的論』で考えましょうということになる。

簡単に説明をさせていただくと、人がある行動を取るのは、「そうすることが自分のためになる」と判断したからだ。

そうした、自分のためになることこそがその人の行為の目的であるというのが、アドラー心理学の言うところの『目的論』である。

この『目的論』で考えると「モノがあふれていることが自分のためになる」と判断しているということになるのだが、モノが多くて自分のためになるとはどういうことなのか?

たとえば、ある人は「実は私の夫は出張が多く留守がちで家に居ないことが多い。私はいつも一人で食事をするが、そんな時はとても寂しく、ついモノを買ってしまう」というところに行きつく。

要は、「買い物をしてモノを増やすことで寂しさを紛らわせていた」というのが目的だったのだ。

なるほど、このように「なぜモノがあふれているのか?」の理解ができていないと、いくら片づけの知識やテクニックを身につけても無駄になる。

すぐにリバウンドしてしまうことが目に見えているのだ。

片づけられない本当の理由がココロの問題にあるというのも素直に理解ができる。

ここに述べたのは、片づけるためにアドラー心理をいかに応用するかの一端だが、これまで片づけが上手くできなかった人は、試しにココロの整理から入ることをお薦めしたい。

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