■トニーニョ・セレーゾが求めた「センターバックの格」

 昨年の12月、リーグ終盤戦やチャンピオンシップ、僕たちが戦った昇格プレーオフなど、一つの試合の勝ち負けでシーズンが決してしまうような試合が続き、サッカーの面白さと怖さを改めて思い知らされました。
 そんな試合をテレビを通して見たり、自分自身も戦いながら思うことがありました。

「やはりセンターバックは格だな」

 これは鹿島アントラーズに入団した頃、当時のトニーニョ・セレーゾ監督がよく言っていたことでもあります。ブラジル代表の名選手だった彼の言葉は、当時の僕にとても刺激的で印象に残りました。
 では、その格とはなにか。「センターバックに格が必要」とはどういう意味なのか。

 

 センターバックに必要な能力は多様化しています。高さや強さはその一面にすぎません。例えば、論理的思考力。これは僕がかつて拠り所にしていたものでした。
 僕は論理的に物事を捉えるのが好きです。大学時代に数学を専攻していたことも少なからず影響していると思いますが、1つの事象を見た時に、なぜそのようなことが起こったのかを遡って考えたり、深く掘り下げて考えたりすることが好きです。
 論理的であることが正しいことなのか、という議論はさておき、センターバックとして成長していくには大切な要素の1つだと思います。楽観的に結果オーライでサッカーをしていてはセンターバックは務まらないとも思っています。
 センターバックというポジションは一番後ろから全体を見ることができます。それゆえ、チームを動かすという仕事や、チームの問題点を見つけて自分で改善させることができる。このことは、チームの中の立ち位置を高めていくのに絶対的に必要です。

 
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