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高校受験は親の心構えが大事

中3女子の父親 受験日記 1/2

2016年4月に娘が高校に進学した

父親が受験を振り返る。

 

これから子どもが高校受験。そんな環境を初めて経験する親御さんも多いはずだ。

受験という一大イベント(そう捉えるかどうかは、各家庭によっても違うと思うが、間違いなく我が家では嵐のような半年であった)に向かって、いろいろと気づいたこともあるので、書き残しておこうと思う。

というのも、私自身もネット上の情報には相当にお世話になった。とくに中学校や塾の先生の話が相当に違っていると感じた時、頼るのはネット上の情報であった。

ただ、ネットにある受験情報というのは、塾の立場から情報が発信されているものが多く、実際の体験談となるとそう多くはなかったので、ここでは高校受験の娘を持った親としての率直な感想を書いておこうと思う。

 

まるで違う受験制度にあたふたするのは必至

今になって思うのは、自分が受験生であった時代と、現在の受験とではすべてが大きく変わっていたことに驚いた。したがって、「私の時代は~」という概念をまずは捨て去ることが大切だ。

私の時代で言うと、たとえば都立受験は、ほぼ近隣の地域の高校しか受験できなかったし、学校群制度というのがあった。群を受験するので、その中ではどこの高校に振り分けられるかもわからないという制度であった。

もちろん同じ群であっても、大学進学率のばらつきはあるし、校風がまったく違うということ(片や制服、片や私服ということもあった)もあったくらいだ。

いまや、「制服が可愛い」というのも学校選びのポイントとなり、どこの学校もそれぞれに工夫を凝らしている現状から考えれば、まったく想像もつかない世界であるはずだ。

「どちらの学校に行くかもわからない」のであるから、大方の受験生は偏差値や内申書のみを基準に学校選びをしていたと思う。

したがって、自分に合う校風かどうか事前に知るために、学校訪問をするなどということもほとんどなかった(少なくとも私の場合は)。

だが。今やこの学校訪問が、非常に重要になっている。好きな高校を選べる時代だからこそ、なるべく自分に合った学校選びもできるのだ。

 

学校訪問は、なるべく早い時期から、数多く回る

 

通学が困難、成績的にあまりに合わないという学校をまずは外すのだろうが、それでも3、4校は候補になるだろう。それも都立だけの話だ。

ここで一番に言いたいのは、都立にしろ、私立にしろ、学校訪問は早目に始めることだ。

だいたいは、9月、10月には毎週のように学校説明会が行われるから、その時に行けばよいと考えがちだ。内申書の成績も2学期の期末テストまで定まらないのだから、と思いがち。

ところが9月、10月にまとめて行こうとすると4、5校が精いっぱいになる。

9月、10月の土曜日のみ4、5回という私立高校も多いから、当然ながらほとんど重なる。日曜日は日曜日で模擬試験なんかも始まって、この時期のスケジューリングは本当に大変なのだ。

まして成績が安定しないなら、思い通りになった時、ならなかった時といくつかのシミュレーションをしなければならない。

私は、出来る限り学校訪問には同行したいと思っていた。

だからこそ、これだけは言えるが、学校訪問は余裕を持って早目に始めたほうがいい。何回か行くことによって、その学校を見る目というのも身につく。

高校受験の子を持つ親が、しっかり認識していなくはならないこと。

それは、まず学校訪問に数多く行くというのが、第一歩の心構えになる。

なぜかと言えば、学校訪問の情報が一番正しいからである。順番に記していこうと思うが、たとえば私立の場合、「併願受験」という制度があるのだが(この知識は本当に重要!)、どういう基準なのかはその年のその学校からしか聞けない場合も多い。

親にとっての高校受験は、まさに情報戦だ。

まず、その心構えを持って対処してほしいと思う。

 

高校受験生を持つ親にとって、受験は情報戦だ

初めての高校受験生を持つ親にとって、一番戸惑ったのは、実は私立高校の選び方であった。

私の娘の場合、都立を第一志望にして、私立はあくまでスベリ止めにというスタンスを考えていた。

都立については、中学2年の3学期の成績をもとに、とりあえずは上を目指していこうということで3、4校選んでいたと思う。

ここで相当に優秀な学校だったりすると、受験時のテスト問題において「自校作成グループ」などがあるから、当然に特別な対策が必要となる。

 

さて、私立の学校選びだが、当然、偏差値は重要な目安となる。だが、娘のような都立との併願受験が前提である場合、「併願優遇」という制度を理解していないとお話にならない。

この制度、中身についてはその学校でまちまちなので、個々に確認しなくてはならないのだが、要は都立に落ちた場合、うちの学校を第一優先にしてくれれば受験時に優遇しますよという制度である。

これには内申基準(中学校の成績)というのがあり、後に触れる単願推薦の基準よりも設定が高いのが普通だ。

さて、優遇の内容だがテストの結果に20店~40点加えますと明確に募集要項に書かれている学校もあれば、中学校の先生に相談してください、という学校もある。

さらに理解しにくいのは、単願推薦や併願優遇で受験した場合、その倍率はほぼ1.0倍であるというところだ(なかには落ちる学校もあるので要注意)。

このことについて学校説明会で高校の先生に聞いてみたのだが、「基準くらいの内申点を持つ生徒にテストで20~40点加点するとほぼ合格ラインに達するはずです。あとは中学校の先生に必ず相談してください」とのことだった。

この、「相談してください」のいうのが、わかりづらい……。

 

「併願優遇」を制する者が高校受験を制す

この中学校の先生に、必ず相談するというのが大事なところだ。

推薦や併願優遇で受験する場合は、ほとんどが高校と中学の先生同士で受験相談というのがある。

倍率1.0になるのは、この「相談」において、ほぼ内定が出されている生徒しか受験しないからである(ここを理解するまでに私の場合かなり時間がかかっしまった気がする)。

ただし、高校側も中学側も、この「内定」という言い方は、かなり嫌がる傾向があるようだ(だからこちらも理解しにくい)。

「ここ3年間とも1.0倍というのは、必ず合格するということですよね」と聞くと、「この3年間、落ちた生徒はいませんね」と歯に物が挟まった言い方をする。

まあ、このあたりは学校によっても対応が違うだろうから、まずは自分の中学校の先生に聞いてみるのが早いのかもしれない(とはいえ、中学の先生の数多の高校の内実をすべて把握はしていないだろうが)。

内申基準について付け加えておきたいことに、「加点措置」というのがある。多いパターンとしては、内申基準に足りない場合、英検、漢検の準2級~3級の保持者には内申基準に1~2マイナスしますよというものだ。

他では、生徒会やクラブ活動の優秀者にも同様の措置を取る学校も多い(ここらへんも学校によっては、中学と高校の「相談」が加味される場合があるようだ)。

こうした加点措置があることを知っていて生徒会やクラブを頑張れるかというと難しいように思うが、英検や漢検を積極的に受験するのに、デメリットはないだろう。

私の娘の場合は、夏休みあけた頃に親がそれに気づき、慌てて漢検を受けさせた経緯もあるので、こうした情報は本当に早く知っておくべきだと思う。

受験は当然、受験する本人の意志と努力に依ることだと思うが、こうした情報戦の一面もあることを親は知っておいて損はない。

いや、知っておくほうが断然に有利だ。

次回では、実際の娘の受験について記しておこうと思う。

<続く>

 

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