西暦2000年”ミレニアムイヤー”のファッション誌は何を取り上げていたのか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

西暦2000年”ミレニアムイヤー”のファッション誌は何を取り上げていたのか?

2017年6月号で創刊20周年を迎える『STREET JACK』。そのバックナンバーを紐解きながら、当時の若者ファッションシーンを振り返ります。

 

対決が大好きだったミレニアム時代のファッション誌

 

さて、00年代を迎えるこの頃、古着だけでなく、様々なファッションムーブメントが同時多発的に全盛期を迎える。スニーカー、時計(G-SHOCK)、シルバーアクセ、などなど、どれか一つが流行るというより、すべてがBUZZっていた。2017年のファッションシーンでは考えられないぐらい、各ジャンルが細分化され、驚くべき知識量でみな、それらを買い求めていたのだ。

 

写真を拡大 SNSもない時代、新作のスクープや海外の新作リークなどは、ネットではなく雑誌の仕事だった。毎月本屋で買ってきた雑誌のニュースページを見て、キッズたちは初めてその存在を知り、店に電話をかけ、我先に買い求めていたのだ。その「面倒臭さ」すら、ひとつのエンターテイメントだったのかも。

 

裏原ブランドもまた、そのひとつである。
「裏原」の歴史を語りだすととても一回ではまとまらないので、あえて詳細はここでは触れないが、いわゆる「裏原ブランド」と語るとき、大きく2種類に分類される。ひとつがエイプやアンダーカバーなど当時新たに日本人デザイナーが手がけたメイドインジャパンブランド(もちろん当時はそういう言い方はしていないが便宜上)、もうひとつがステューシーやシュプリームなど既存の海外ブランドである。後者は前者を立ち上げた人たちが、そのファッションのバックボーンとしてインスパイアされたり、さらにダイレクトに商品を日本に紹介したことで、広く一般層に広まっていった。

 

写真を拡大 当時のファッション誌はとにかく対決が大好き。そんな中でもステューシーとシュプリームは格好の好敵手。もちろん、両ブランドが互いをライバル視しているなんてことはなく、日本特有のガラパゴス文化と言えるかもしれない。

 

ご覧のとおり、今の両ブランドの新作を知っているキッズからすれば、各アイテムが「地味」に映るかもしれない。今のようなビジュアル、すなわち、ステューシーのグラフィックがもっとエッジーになり、シュプリームのカラーパレットがもっとヴィヴィッドになるのは、もう少し先のことである。

 

 

それにしても、ほんと対決が好きだなあ・・・。

 

次のページあの頃、時代の空気感は「世紀末」だった。

KEYWORDS:

オススメ記事