ついにその時を迎える。大河ドラマ「真田丸」のクライマックス、大坂夏の陣。「狙うは、家康の首ただひとつ」と捨て身の戦いを挑む幸村の、最後まであきらめない姿を目に焼き付けておきたい!

そして今、真田幸村を演じる堺雅人が撮了後に「日の本一の兵」と讃えられた幸村の戦いぶりを振り返る。


大坂の陣のシーンを振り返って、どんなことを思い出しますか。


「幸村の役割は何に近いのだろうとずっと考えていました。たぶん市役所の課長さんクラスがこんな感じなんだろうなと。現場で不測の事態が起きて、上からの連絡も途絶える。その時点で現場の最高責任者として決断するという状況が一番近い気がします。現代でも日本はそういう人たちに支えられているんだなと改めて感じました。また、幸村は入城してから8か月で死にます。たったの8か月だったんですよね、有名になったのは。でも人生ってそんなものかもって気がするし、逆に8か月あれば400年後に残る何かができるのかもしれないとも思いました」


最終話で宿敵の徳川家康と対峙します。収録で注意したことは。


「なるべく現実的なことだけに意識を集中していました。鉄砲の間合いや方向が間違っていないかとか、演技というよりも一撃で仕留めるにはどうすればいいのかと。そこに情緒はなかったですね」


家康役の内野聖陽さんが堺さんの殺陣の稽古を見て、その熱心な探求心に感心していました。


「(幸村が扱う)十文字槍って重いんですよ。なんか腹が立ってね。こんな重い槍を持っているのだから、使いこなす理由がないと嫌だということが根底にあったかもしれません(笑)。でも、おかげで面白いシーンになりました」


幸村は打倒家康を果たせずに最期を遂げる。誰もが知る史実だが「もしかしたら勝つかもしれない」と、そう思わせる演出が盛り込まれており、最後まで物語に引き込まれていく


残りわずかですが見どころは?


「徳川方の兵士がいい仕事してるんです。真田の地元、上田市の有志の方がエキストラで参加してくださったんです。真田愛に溢れた人たちが集まったのに、現場では徳川の鎧に着替えさせられるという屈辱(笑)。一番いい角度で真田丸を御覧になれますからとなだめて、すかして突進してもらったんですけど、いいお芝居でした。みんな嬉しかったらしく笑いながら死んでいく人もいたようです。負け側に愛を注ぐのが今回の“真田丸”ですから、ぜひ討ち死にしていく徳川の兵士たちをゆっくり御覧になっていただけたらなと。それと佐助の年齢がわかったのも最終話の衝撃でしたね (笑)」

「歴史人」2017年1月号より