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3分で分かるトレンドワード【大型台風】
9割の日本人が誤解している台風予報図の見方

【大型台風】をNHK気象キャスター、斉田季実治氏が徹底解説②

●台風には強さと大きさ、2つのモノサシがある!
 

斉田…伝える予報士としても困ってしまうときがあります(笑)。さて、台風にはタイプがあります。よく天気予報で「“非常に強い”“大型の”台風○○号が近づいています」と言ったりしていますよね。結構気づいていない人が多いと思うのですが、ここでの“非常に強い”と“大型の”。これは別々のモノサシです。“非常に強い”が強さの階級を表していて、“大型の”は大きさの階級を示しています。

シズカ…そうだったの! 予報では2つの視点から評価しているのね。

トオル…むむ、強さと大きさがあるのか。これは紛らわしいぞ。

斉田強さの方は、中心付近の最大風速で決まります。33m/s以上になると「強い」、44m/s以上になると「非常に強い」、54m/s以上だと「猛烈な」になります。

 大きさの方はよく「強風域」と「暴風域」という言い方をしますが、「強風域」の広さで大きさが決まります。この半径が500km以上で「大型」といい、800km以上で「超大型」といいます。昔はそのほかにも「小さい」というサイズがあったんですが、安全だと誤解されるおそれがあるため、いまはこの2種類です。一覧でまとめると以下のようになります。

                           出典:気象庁HP
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斉田 季実治

さいた きみはる



1975年東京生まれ。北海道大学で海洋気象学を専攻し、在学中に気象予報士資格を取得。



北海道文化放送の報道記者、民間の気象情報会社などを経て、2006年からNHK気象キャスター。



現在は「ニュースウオッチ9」に出演中。ツイッター(https://twitter.com/tenki_saita?lang=ja)でも、



日々気象情報を発信中。


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