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トランプはなぜ勝利したのか?④
覇権国家アメリカの国益!
アメリカは沖縄をどう捉えているのか?

倉山満によるアメリカ大統領『トランはなぜ台頭したのか アメリカが覇権国家でいられる理由』 トランプが大統領にまでなりあがったアメリカの現状とは!シリーズ④

投票日前日まで、クリントン優勢の報道にもかかわらず、トランプが勝利。
トランプが大統領候補として台頭していた時点から、暴言のトランプ、失言のトランプ…etc. 日本をはじめアメリカでもマスメディアから連日の様にトランプに対してネガティブの報道がなされていました。 しかしながら、真逆の結果に!なぜアメリカ人はトランプを支持したのか?果たしてマスメディアはアメリカ合衆国の実像を捉えていたのか?
日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でも半年近く前に執筆した、トランプ現象とは一体どういう現象なのか、気鋭の憲政史家・倉山満の分析を一部抜粋紹介いたします。

アメリカが唯一、敵と向き合っている地域!

 全体的な構図で言えば、ウクライナや中東といった〝辺境〟には頭痛の種があるものの、結局アメリカは自分に敵対しそうな勢力は全部放逐しています。

 ところが、ある一箇所だけ違う戦略を取っている地域があります。
 それが東アジアです。

 中国・ロシアというアメリカと張り合う二つの国が密集していて、北朝鮮という狂った国が核を持っています。

 片や、足手まといの日本と韓国がいて、健気な台湾をどうやって守ろう、ベトナム・フィリピンをどうしようという状況です。

 日米戦争をやってしまったので、大東亜共栄圏よりさらに広い地域を一人で肩代わりしなくてはならなくなっています。

 アメリカは一人で、ペルシャ湾からハワイまで全部守っているわけです。
 そこで重要になってくるのが、アチソンラインのど真ん中に位置する沖縄です。
 アチソンラインというのは、アラスカの手前のアリューシャン列島から始まって、日本列島~台湾~フィリピン~オーストラリアまでの線のことです。
  インドネシアのことは言及せずに飛ばされていますが、本当は線に含まれます。

 朝鮮戦争のとき、アメリカがこの線で守ると言ったために、金日成はアチソンラインに含まれない韓国に攻め込みました。

 この線上に韓国を入れなかったのは単にアチソンが愚かだったからですが、それはさておき、この縦の線のど真ん中を、地図ではなく、地球儀で見ると沖縄なのです。

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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