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“パ高セ低”の理由は「DH制度」にあり。山本昌からの提言

今シーズンもパ・リーグの日本一で終わったプロ野球。なぜ、パは強いのか。

Q.パ・リーグから次々とスターが生まれている気がします。なぜですか?

 実際にパ・リーグのほうが強いですからね。2005年から始まったセパ交流戦では、セ・リーグは一度(2009年)しか勝ち越しをしていませんし、日本一だって過去10年間を見ても7回がパ・リーグのチームです。結果からも、やはりパ・リーグのほうが力はあるんでしょう。

 

 この質問の回答を挙げるとすれば、複合的な要素が絡んでくるので「これだ」とひとつに絞るのは難しい。ただ、私が思う答えをふたつ挙げさせていただくとすれば、第一にドラフトでパ・リーグのチームのほうがいい選手を抽選で引き当てていますよね。

 思い出せるだけでも、楽天は田中将大投手や松井裕樹投手と、当時の高校ナンバーワン投手を引き当てましたし、日本ハムにしても中田翔選手を引き当て、単独指名ですがダルビッシュ有選手を獲得したり、メジャーリーグ挑戦を表明していた大谷翔平選手を指名して口説き落としたり。ソフトバンクも去年は高橋純平投手、今年も創価大学の田中正義投手と高校、大学ナンバーワン投手を引き当てました。パ・リーグのチームは、優れた選手を獲得して確実に育て上げているところも強みだとは思います。

 ドラフトは運も絡んできますから、これだけがすべてではないと思います。そこで、別の観点から見て感じるのは、「DH制度」の有無はセパの力関係を左右する大きな要素なのではないか、ということ。これがふたつめです。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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