「松坂大輔を今シーズンで判断するのは早すぎる」、山本昌が指摘するポイント。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「松坂大輔を今シーズンで判断するのは早すぎる」、山本昌が指摘するポイント。

怪物・松坂大輔に復活はあり得るのか――

Q.ソフトバンク松坂大輔投手は復活できますか?

 松坂大輔投手と言えば、私たちプロ野球選手から見ても「怪物」。それだけの投手なので「このままで終わってほしくない」と思います。

 一軍での日本復帰初登板となった10月2日の楽天戦、松坂投手の投球にみなさん驚かれたかと思います。8回に登板して3安打5失点、4四死球……。私自身、あのような松坂投手を見たことがありませんし、相当緊張感のあるマウンドだったのかな? と推察しました。松坂投手は「怪物」と呼ばれていますが、あの試合を見て、私は「彼もやっぱり人間なんだな」と思ってしまったくらいです。

 この日の登板を受けて、みなさんのなかには「大丈夫なのか?」と不安に思う方もいるでしょう。その気持ちは分かりますが、私はまだまだ彼に期待を寄せています。投手としての才能は誰もが認める天性のものがありますから、手術した右肩さえ完治すれば以前のような松坂投手らしい投球をしてくれると信じています。

 理由としては、手術したタイミングです。松坂投手が右肩にメスを入れたのは2015年の8月。投手出身の私から言わせれば、肩を手術して1年で復帰するケースは珍しいこと。ひじの場合は100%復帰できるまで医学が発達していますが、肩となると相当慎重に調整していかなければ、手術前の状態に戻すことは困難です。ですから、私としては肩の場合、完治まで1年半は見て、そこからの判断になるかと考えています。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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