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「身近なクスリ」はハイリスク 医師が警鐘

薬のオモテとウラ

岡田正彦さん
新潟大学名誉教授、水野介護老人保健施設長、水野記念病院常務理事。
新潟大学医学部卒。1990年に同大学教授となり、動脈硬化症、予防医療学などの研究に従事。2012年より現職。『死ぬときに後悔しない医者とクスリの選び方』(アスコム)など著書多数。

 

ジェネリック・・・“安いから飲む”はNG 服用は慎重にすべき

 病院で処方される薬には先発医薬品と、後発医薬品(ジェネリック)がある。新薬は、その薬を開発して特許を取得した会社が独占的に販売できる。その特許期間が終了すると、他の企業が新薬に使われた有効成分や製法などを利用して製造・販売できる。これがジェネリックで、開発費用がかかっていないため、値段が安い。薬価が下がると財政負担が軽くなるので、国もジェネリックを推奨している。
 しかし、「新薬と主成分は同じでも添加物などが異なるため、効き方が違う場合があります。まったく同じ薬ではないので、体への影響も異なります。安いからといって、気軽に飲むべきではありません」と、岡田さんは注意を促す。

市販薬・・・副作用の予測は難しい。成分量が少ないものを

 体調不良で病院に行くと、長いこと待合室で待たされて、ようやく診療。そして処方箋をもらって、また薬局で待たされる。これが嫌で忙しい時や症状が軽いときなら、つい市販薬を選んでしまう人も少なくない。
「市販薬の怖いところは、どんな体質の人がどの薬で副作用が出るのか予測できない点。配合された成分が多いとそれだけ副作用の出る確率も上がるため、総合感冒薬は特に気をつけるべきです」と岡田さん。
 処方薬をおすすめするが、市販薬を選ぶなら成分が少ないものを選び、5日以上の連用は避けたほうが無難。

漢方薬・・・自然界にも毒はある。正体不明の薬草は飲むな

 風邪のときに飲む葛根湯や、花粉症には小青竜湯、胃潰瘍に効くとされる柴胡桂枝湯などの漢方薬は、日本では身近な存在。しかし効果については、小規模な調査で症状が少し改善したというデータがほとんどで、エビデンスが乏しいのが現実。また、たとえ“自然の生薬”といっても、副作用がないわけではない。
 岡田さんが漢方薬に不安を感じるのは、どんな成分が含まれているかもわからずに飲まれていること。
「おみやげで薬草をもらっても安易に飲まないでください。自然界のものすべてが安全とは限りませんから」。

漢方にも副作用はある

※『一個人』11月号

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