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「江川卓さんのような解説者に」山本昌が目指す野球の見方、伝え方

解説者としてどう在るべきか。山本昌が一番心掛けていることとは。

■基本をしっかりと伝えること

 加えて、私が解説の際に心がけているひとつに「基本をしっかり伝えてく」ということも挙げられます。

 これは「NEWS ZERO」(日本テレビ系)のお仕事をさせていただいていることが大きいです。スポーツ専門番組ではない報道番組ですからスポーツだけではなく、様々な世代、趣味を持たれている方が視聴します。だからこそ「野球を知らない方にもわかっていただけるように」と心がけるようになりました。この番組が、私の解説者としての基軸を作ってくれたと言っていいかもしれません。

 私は、32年間のプロ野球生活のなかで、自分としてはそれなりの技術と知識を習得できたと自負しています。だからと言って、プロ野球選手目線で、細かい、マニアックな解説に終始するのではなく、投手ならば「なんでいいボールを投げられるのか?」を簡潔に、わかりやすく説明する。「野球とは、すべて基本の上に成り立っているんですよ」ということを、しっかりと伝えていきたいのです。

 例えば、チームのエースが投げているとして「なぜ、この投手はいつも素晴らしいボールを投げられるんですか?」と実況するアナウンサーの方に聞かれたらどう答えるか? 「肩が大きく回っている」「リリースポイントが安定している」など、回答は投手によって異なるでしょう。じゃあ、そうやって投げられるためにはどうすればいいかとなれば、日々のキャッチボールで自分の投球フォームを常に確認しながら投げましょう、と言えるかもしれません。私自身、解説者としてはまだまだ勉強中ですが、できるだけ視聴者や読者の皆さんにご理解いただけるために頑張っていきます。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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