日本人は球際でどう勝負すべきなのか。<br />デュエルの精度を上げるためにもっとも大事なこと――岩政大樹の「現役目線」 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

日本人は球際でどう勝負すべきなのか。
デュエルの精度を上げるためにもっとも大事なこと――岩政大樹の「現役目線」

「現役目線」――サッカー選手、岩政大樹が書き下ろす、サッカーの常識への挑戦

■アントラーズに入って受けた衝撃「通用しない」

 僕は大学を卒業し、鹿島アントラーズに加入しました。決してすぐにプロで通用するとは思っていませんでしたが、とは言っても大卒だったので、即戦力にならなくてはならず、それなりの覚悟を持っていました。
 しかし、加入してすぐに一種のカルチャーショックを受けました。というのも、練習で相手選手と対峙しているとき、僕は全くと言っていいほど、相手の動きを"読めなかった"のです。

 チームには当時、小笠原(満男)選手、本山(雅志)選手、野沢(拓也)選手というマジカルな天才がいました。彼らは、僕が「こうくるだろう」と予測するプレーの逆をいつもとってくるのです。
 初めての感覚でした。
 練習をしながら、なんか気持ちがふわふわしてきて、もうヤケクソにプレーしてしまう感覚と言えばいいでしょうか。

 このレベルの選手たちはいつもギリギリまで相手を見ていて、相手の動きによってキックの種類や判断を変えてくるのだと知りました。
 僕だって一応、大学ナンバー1ディフェンダーという触れ込みでプロ入りした選手でした。技術的にはまだまだでも、守備に関してはある程度やれるつもりでした。しかし、その自信は一週間もしないうちに崩れ去り、僕は「迷子」になってしまいました。

次のページ新しいセオリー探しの先に見えたもの

KEYWORDS:

オススメ記事

岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


この著者の記事一覧