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アメリカ大統領選挙とは一体、何なのか?①
「奴隷解放」という噓、北部の言い分は「黒人を追い出して、白人だけの国を作ろう」だった!

倉山満によるアメリカ大統領選挙解説シリーズ第1回

トランプ VS クリントン、第三回の公開討論会も終了。投票日である11月8日も目前のアメリカ大統領選挙。アメリカの世論調査では、クリントンの支持率がトランプをうわまわったといわれています。メディアの報道では、トランプ現象の終焉などの記事もちらほら。日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項です。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 
大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でもアメリカ大統領選とは一体どういう選挙なのか? 誰でも理解できるアメリカ大統領選挙をシリーズでご紹介します。

違う国同士の集まる連邦国家がアメリカであることの再確認

 アメリカ大統領選挙は、一月から六月までは予備選挙と言って、共和党と民主党がそれぞれの党の候補を一人に絞るために、州ごとに選挙を行います。

 これはアメリカの実態を理解するキモです。

 そもそもアメリカ合衆国は違う国どうしとも言える州が集まってできた連邦国家なので、共和党と民主党というのは、州ごとにある派閥なのです。

 南北戦争にしても、きっちり一つの州の中が統一されて、北軍につくか南軍につくかを決めたのではなく、州の中で南北に分かれたりしているところもありました。

 それぞれの勢力範囲を正確に描写すると半月を描いていて、南西部は北軍につき、南東部だけが包囲されながら戦っていたという図式でした。

 南北戦争が終わったとき、下手に融和を言ってしまったが故に、それぞれの州に共和党と民主党がいることになってしまいました。

 一口に北部は自由州で、南部は奴隷州と言われますが、南北対立の大前提を復習しましょう。

 南部は奴隷を家畜のような財産として扱いましたが、北部の「奴隷解放」というのも、単に「黒人なんか追い出して、白人だけの国を作ろう」という話であって、黒人と白人を対等に扱うということではありません。

奴隷解放の父と呼ばれるも民族浄化の様なインディアン戦争を行なったリンカーン

 また、黒人は白人によるインディアン狩りの手駒として利用されていました。

 なぜインディアン狩りが成功したかと言うと、黒人をインディアンに差し向けたり、敵対するインディアンの勢力を別のインディアンの部族を使って叩きのめしたりなど、実はインドでイギリスがやっているのと一緒のことをやっていたからです。

 また、インディアンの方も一致結束して白人と戦ったことは一度もありません。

 ですから、各個撃破されています。

大間違いのアメリカ合衆国』より 

明日は、「アメリカ大統領選挙というのは四年に一回、しかも州ごとにやっている“南北戦争”だ」です。

 

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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