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遠慮していると命取り! 病院を変えるべきタイミング

いい医師か悪い医師か判断するのは難しい。どう見分ければいいのか、その方法を現場の医師に伝授してもらった。

 

ダメだと思ったら遠慮せず病院を変える

「私が患者として病院に行く場合、もしそこの医師が評判がよくて流行っていたとしても、2~3回通って症状にまったく改善が見られなければ、たぶんその時点で病院を変えてしまう」と内山さん。病院は行列のできるレストランと似ているという。

「並んでやっと順番が来て、全然おいしくなかったら、二度と行くことはないですよね。病院も同じ。ここで治療を続けても自分の病気を治せないと思ったら変えるべきですし、医師に遠慮する必要はまったくありません」。

 とはいっても、一般の患者からすると、医師の機嫌を損そこねたくないのが本音。できれば、最初の段階で適切な病院を選択できるのが望ましい。しかし、総合病院や大学病院ならインターネットや本で事前に詳しい情報を集められるが、クリニックだとそれも難しい。自分の症状に合った施設かどうか、あらかじめ知る手立てはないものなのだろうか。

 ひとつヒントになりそうなのは、クリニックの看板に書かれている診療科目。医師の国家資格さえあれば、何を専門にしてきたかは関係なく、好きな診療科を掲げることができる。

「複数の科を標榜しているところも多いんですが、何を掲げ、それがどういう順序で並べられているかで、そこの医師の専門が推測できるんです」。

 医師が開業すると、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科など専門性の高い診療科を除き、多くの場合、標榜科目に内科を入れる。幅が広く、患者数が見込めるからである。内科だけを掲げていれば、これまでずっと内科でやってきた医師と考えられる。

「内科、小児科」とある場合は内科が専門で、小児科は付け足しの可能性が高い。もし、医師の専門が小児科なら、小児科を真っ先に持ってくるはず。それで十分、患者を確保できる。

 逆に「内科、外科」とある場合は、医師の専門は外科と見てほぼ間違いない。外科を真っ先に掲げても患者を集めづらいのだ。こうして標榜科目の裏を知ることは、クリニックを選ぶ際の重要なポイントになる。

取材・文/田中幾太郎 イラスト/横田ユキオ

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内山 伸

うちやま のぼる

浅草クリニック

副院長

熊本県生まれ。佐賀医科大学卒。聖路加国際病院呼吸器内科医員を務め、2007~2008年ハーバード大学公衆衛生大学院に留学し修了。聖路加に戻り、2010年から浅草クリニック勤務。


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