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こんな医者にかかってはいけない! 「ダメ医者」の見分け方

口コミなどで評判を知っていればともかく、これからかかろうとしたり、診療が初期段階の場合、その医師がいいのか悪いのか判断するのは難しい。どう見分ければいいのか、その方法を現場の医師に伝授してもらった。

 

セカンドオピニオンを嫌がる高慢な医師 

 今かかっている医師とは別の医師に意見を求める「セカンドオピニオン」への対応も、ダメ医者かどうかを判断するひとつの材料となる。「患者さんからセカンドオピニオンを言われるのを嫌がるのは問題です」と内山さん。

「昔はオレの診断に文句があるのかといった態度の医師がけっこういたようです。今はセカンドオピニオンが浸透しているので、そうしたケースは減っていますが、65歳以上の医師の場合だと、研修医だった時期にセカンドオピニオンという考え方自体がなかったので、正しく理解していない医師も少なくない。時代背景を考えると、仕方のない面もあります。むしろ、一番問題だと思うのは、医師の側が患者さんにセカンドオピニオンを言いだしづらい雰囲気をつくっているケースです」。

 セカンドオピニオンを求める場合、主治医に診療情報提供書を出してもらわなければならない。さすがに拒否することはほとんどないだろうが、プライドが高そうで、この医師に言ったら感情を害するのではと、患者の側が躊躇(ちゅうちょ)してしまうケースが多々見られる。

「特にがんの患者さんにセカンドオピニオンは有効なんです。緊急性を要する心筋梗塞や脳卒中と違い、ある程度、時間的に余裕があるので、いろいろな治療法を考えてみることができる。その機会を医師の態度によって奪われてしまうのはもったいない」と話す内山さんは、セカンドオピニオンを言いやすい環境をつくるように努力しているという。

「患者さんと話していると、この人はセカンドオピニオンを求めているなというのがだいたいわかります。そうした場合、がんセンターの先生に診てもらいましょうかと、こちらから提案するんです。再びこの病院に戻ってこられないのではと心配する人もいるので、『うちにまたかかる時は予約を取って来てください』と話すと安心してくれる。患者さんの気持ちを察するのも医者の仕事だと思っています」。

取材・文/田中幾太郎 イラスト/横田ユキオ

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内山 伸

うちやま のぼる

浅草クリニック

副院長

熊本県生まれ。佐賀医科大学卒。聖路加国際病院呼吸器内科医員を務め、2007~2008年ハーバード大学公衆衛生大学院に留学し修了。聖路加に戻り、2010年から浅草クリニック勤務。


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