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男性と女性で、「知性」は違う?

一口に「知性」といっても、男女差で違いがあると知っていましたか?

男性の排除する知性と、女性の包摂する知性

女性は、男性的“勝ち負け”にはこだわらない「包摂する知性」を持ち合わせています。例えば、盲目のピアニスト辻井伸行さんにしろ、ダウン症の書家金澤翔子さんにしろ、障害があっても、優れた才能を見事に発揮する人の多くは母親に育てられています。一方、男性はそういうときに「排除する」行動をとりがちですが、自分の子どもの優れた点、素晴らしい点を見つけ、それを伸ばすよう陰で支えているお母さんたちの姿勢には頭が下がります。

職場でも、「与えられた条件の中でベストを尽くす」という方向に考えられるのが、これから求められる知性です。

 

男性のハードな知性と、女性のソフトな知性

男性は「男の沽券に関わる」ことや、「メンツをつぶされる」事態に激しく抵抗する傾向があります。体面が大事なのです。男性は右脳と左脳の連結がうまくいかず、ひとつのことに猪突猛進に突き進む傾向があるのです。集中してわき目もふらずに打ち込むのが得意ですから、そのぶんだけ成果もあげやすいと言えます。

それに対して女性は、臨機応変型のソフトな柔軟思考ができます。女性は右脳と左脳を同時に使えるので、よく言えばバランスを取り、悪く言えば気分が散漫で、集中に欠けがちです。

けれどもそのソフトな知性を使えば、男性の頑固で融通が利かないという、一本筋が通っている部分に対し、プロセスを知らせてあげることができるようになります。

 

男性と女性が本来持っている知性を比較し、解説してきました。そうすると、これからの社会では男性よりも女性がすでに持っている知性のほうが求められていることに気がつかれたでしょうか。もちろん、今後、男性的な知性が一切いらないというわけではありません。しかし、今日本が立たされている、前例のない時代を生き抜くためには新しい知性、より柔軟で細やかな知性が必要とされるのです。
ぜひ、男性もこのような考え方の転換の重要性に気づき、社会全体が新しい知性を身につけていく流れになることを願ってやみません。

<『女性の知性の磨き方』より抜粋>

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坂東 眞理子

ばんどう まりこ

昭和女子大学学長。1946年富山県生まれ。東京大学卒業。69年に総理府入省、95年に埼玉県副知事、98年にブリスベン総領事、2001年に内閣府初代男女共同参画局長を務める。07年より昭和女子大学学長、14年大学理事長就任。ベストセラー『女性の品格』他、著書多数。


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