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男性と女性で、「知性」は違う?

一口に「知性」といっても、男女差で違いがあると知っていましたか?

前回まで、今なぜ女性に「知性」が必要なのかを説いてきました。しかし、それは決してまったく新しいものを身につけましょうということではありません。あなたが持っている「知性」のポテンシャルに気づき、それを呼び起こせば、内面からますます輝く人に変化していくことをお教えします。

 

縦を気にする男性と、横を気にする女性

知性には記憶力、判断力、推理力などいろんな分野がありますが、全体として従来考えられてきた知性は「男性的な知性」であると思います。これまでは、進学競争や入社試験に勝ち抜く、高い営業成績を上げる、出世競争に勝ち抜くなどの「競争的知性」が求められてきました。しかし、これからの社会や職場に必要な知性とは、「小さな勝ち負けにこだわらず、一緒に協力して何ができるのか?と考えること」です。女性はもともとフラットな関係性で社会とつながっていることから、そのような思考方法を身につけられる要素をすでに持ち合わせているのです。

 

男性の攻撃する知性と、女性の協調する知性

今までの世代は、男の子が負けて泣くなんてみっともない、恥ずかしいと育てられる中で、自然と男性は負けてはいけないと、「攻撃する知性」を身につけていきました。ところが女の子は、競争で勝って威張るなんて、女らしくない、仲よくしなさいと言われ続けることで、「協調する知性」を身につけていったのです。

しかし、社会環境が大きく変化しているさなか、そのような幼少の頃から植えつけられてきた男性らしい、女性らしい境界はなくしていく教育が行なわれています。これを踏まえ、協調する姿勢をベースに自立した精神を身につけていける女性は、よりおとなとして成熟できる素地があります。

 

男性の現在を生きる知性と、女性の未来を育てる知性

目前の問題をがんばって解決しなければならないとき、男性は瞬発力、集中力を発揮して成果を上げます。けれども、「その結果、何をもたらすか」まで気をめぐらさない人が多いのです。

一方、女性は仕事を探すとき、恋人もいないうちから、「将来、子どもが生まれたら子育てと両立できるような仕事を」と考えてしまうなど、未来を考える特質があります。ときにその未来を考えすぎる思考はマイナスに働くことがあります。けれども、それを逆手にとって「持続する未来を育てることを考えられる知性」に変化させてゆきましょう。何かが起こるその時点までは深く考えすぎず、問題に直面した際に改めて考える習慣を意識してつくらなければなりません。

 

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坂東 眞理子

ばんどう まりこ

昭和女子大学学長。1946年富山県生まれ。東京大学卒業。69年に総理府入省、95年に埼玉県副知事、98年にブリスベン総領事、2001年に内閣府初代男女共同参画局長を務める。07年より昭和女子大学学長、14年大学理事長就任。ベストセラー『女性の品格』他、著書多数。


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