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英傑たちの書状

季節と時節でつづる戦国おりおり 第255回

 前回に続き堺ネタをもうひとつ。

 

 現在、堺市の「さかい利晶の杜」では、「天下をめざす てがみから読む戦国時代」と銘打って堺市博物館所蔵の武将たちの書状を一括公開展示しています。

 織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、石田三成、伊達政宗、毛利元就、毛利輝元、小早川隆景、それに茶人ながら千利休と古田織部。なかなかのラインアップではないでしょうか。

「天下をめざす てがみから読む戦国時代」の図録。

 特に三成の書状が伊達政宗と争う事になる蘆名義広との強い関係をうかがわせるものだったり、秀吉の書状がミカン1桶を送るからその内から北政所に50%、豪姫(前田利家の娘で秀吉養女)に30%、金吾(北政所の甥で秀吉養子。のち小早川秀秋)に15%(「一はん」)、小姫(織田信雄の娘で秀吉養女)に5%個(「はん」)と分けよ、という何とも天下人らしからぬ細かい!

 けれどもなんとも家族的な温かいほのぼのとしたものである事など、実物を見ると興味深さもひとしおだと思いますよ。期間は10月16日まで。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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