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ペナルティ制度が作り出した「売れる」社風
「反対意見が多い状況で功を奏したある作戦」~開発者に訊く!ガリガリ君/赤城乳業

あの異色ヒット商品はどうやって生まれたのか?

 
第1回
ガリガリ君リッチ コーンポタージュ
(2012/赤城乳業)

 日本の暑い夏に欠かせない氷菓。その人気商品のひとつが、赤城乳業の看板商品『ガリガリ君』だ。1981年に誕生し、2000年に年間売上本数1億本を突破。その後、2007年には2億本、2010年には3億本と順調に売り上げを伸ばし、今や「ガリガリ君ブランド」は確固たる地位を築いている。

 今年4月に社員が謝罪するというCMが流れ話題になったガリガリ君だが、それ以前に大きな話題をさらったのは2012年9月のこと。異色のフレーバーで大ヒットとなった『ガリガリ君リッチ コーンポタージュ』の発売である。なぜ、順調だったあの時期に『ガリガリ君』は新たな挑戦に踏み切ったのか? 同社の開発を担当した岡本秀幸氏(当時・開発本部開発部応用研究チーム/現・営業本部マーケティング部主任)に伝説のヒット商品「コーンポタージュ」誕生の裏側を聞いた。


今回、話を伺った赤城乳業マーケティング部の岡本秀幸氏

 ◆反対意見が多い状況で功を奏したある作戦 

「きっかけは、お客様から届いた『もっといろんな味に挑戦してよ』という意見です。『ガリガリ君に期待しているのはそんなことじゃない!』と(笑)。そこで、挑戦的なフレーバーを開発することが決定したんです」(岡本氏)

 このとき、すでに氏のなかでは「本命はコーンポタージュ味」と決まっていたという。

「実はかねてから『コーンポタージュ味のアイスを出せば売れるのでは?』と思っていました。ガリガリ君は、家でゆっくり味わうご褒美的なアイスではなく、コンビニの前などでみんなでワイワイ食べるコミュニケーションツールです。そう考えたとき、ガリガリ君の原点は『駄菓子屋のワイワイ感』ではないかと」(岡本氏)

 その後、駄菓子屋の商品調査でコーンポタージュ味がロングセラーだと分かり、さらには駄菓子屋の客層がガリガリ君の客層と似ていたことも後押しとなった。とは言え、異色すぎるフレーバーは社内での反発も容易に予想できる。そこで氏は、コーンポタージュを採用させるため、水面下で“ある作戦”を実行していた。

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