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日本は「憲法」を必要としない国である!

インタビュー/『日本人に「憲法」は要らない』著者・西村幸祐

Q6 問題が多いとされるアメリカ製「日本国憲法」ですが、日本に良い結果をもたらしたと思われることはありますか?

西村:メリットですか。良かった点は、さっき言った経済面のことしかないですよね。これまではアメリカを利用してやってきたんだけれども、そんなことはいつまでも続くわけない。アメリカも日本を利用しているわけですが、そういう時代がいつまでも続くわけがないことは、今のアメリカの大統領選挙報道を見ていても明らかです。

 

Q7 本書の終わりの方に「憲法などは技術として使いこなせばいい」とあります。これについてもう少し具体的にお話しください。

西村:前にも言ったように、「立憲主義」とかいう言葉のまやかしが横行している。それから、それと付随して出てくる「平和主義」だとか「民主主義」という言葉自体も、政治家もメディアも教育でも普通に使っているけど、言葉の実体が全然わからない。なにせ、これらの言葉はいつも教科書に書いてあるようなレベルでしか使われていないことが問題なのです。

そういう様々な嘘を、憲法を考えることによって明らかにできると思うんです。この本の中でも書いているように、「日本は憲法などなくても済むような歴史と文化を持っている」わけだから、憲法なんて「そんなもの」として使えばいいという意味も込めています。

だから「そんなもの」を破棄しようが、改正しようが、なくそうがどうでもいい。もし「憲法」があるのなら、使いこなせばいいというだけの話です。そういう意味で、それはイギリスを見ればわかることです。

 

Q8 そのイギリスに関連することですが、護憲論、改憲論の他にイギリスのように憲法を持たないという議論が、もっとあってもいいと思うのですが? 

西村:この議論が本当は非常に重要で、必要なんです。だから、この本が投げかけているいちばんの目的はそこです。憲法改正が何をどう改正するかでなく、護憲か改憲かという非常にくだらないレベルで議論されている。ごく狭いイデオロギー上での議論になっている。9条改正が人を「殺す」とか「殺さない」とか、そんなレベルの話で憲法が論じられている。そんな状況自体が滑稽で幼稚なわけですよ。

戦後の学校教育で学んだこと、あるいは教師が言っていたようなこと、それから朝日新聞やNHKが言っていることしか聞いていないと、そういう思考しかできなくなっちゃうんです。だから、そういう狭い思考の枠を壊し、取り払ったうえで「憲法は必要か、必要でないか」を考えて欲しいわけです。そういう議論をするための第一歩になってもらいたい。そういう思いでこの本を書きました。

読んでもらえれば、それはよくわかると思います。もちろん、読んだ後でどう考えるかは本人の自由ですが、ともかく、そういう「考える材料」を与えたかったということです。

それとこの本には「五箇条の御誓文」も全部載っているし、巻末付録には「十七条憲法」と「大日本帝国憲法」と「日本国憲法」の全文が入っています。だから、それらをよく読んで、憲法のことを考えてみてくださいということです。

 

Q9  それでは最後に、読者に向けてひとことメッセージをお願いします。

西村:繰り返しになりますが、とにかくいま流通している言説とか、テレビや新聞、あるいは雑誌で目にする耳慣れた言葉には疑いを持って欲しい。そして今までの思考の枠組みをまず壊して、それからこの本に接していただきたいということですね。それが著者の願いであり、同時に希望でもあります。

 

 

 

 

 

 

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西村 幸祐

にしむら こうゆう

批評家・作家・ジャーナリスト、一般社団法人アジア自由民主連帯協議会副会長。昭和27年東京生まれ。慶應義塾大学在学中より「三田文学」編集担当。2002年日韓W杯後は歴史認識や拉致問題を取材、執筆。「撃論ムック」「ジャパニズム」を創刊、編集長を歴任。著書に『幻の黄金時代―オンリーイエスタデイ ’80s』(祥伝社)、『「反日」の正体』『「反日」の構造』(文芸社文庫)、『メディア症候群』(総和社)など多数。近著は『マスコミ堕落論』(青林堂)。

<公式ホームページ> 西村幸祐 公式 http://kohyu-nishimura.com/


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  • 2016.08.09