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注目の女子7人制ラグビーを徹底解剖

リオ五輪展望【女子ラグビー】

「サクラセブンズ」は運動量で上回れるか

 いよいよ開幕するリオ五輪。序盤戦で注目を集めそうな新種目が7人制ラグビーだ。15人制ラグビーのワールドカップ(W杯)では昨年、日本代表が南アフリカ代表を破るなど3勝をあげ、日本中を興奮させた。15人制ラグビーは試合時間も80分間と長く、消耗も激しいため、大会は1カ月半の長丁場になるが、五輪で採用されたのは7分ハーフの試合を1日に何度も行い、短期間で勝者を決める7人制だ。

 7人制ラグビーは、15人制と同じグラウンドを、15人制の半分以下の1チーム7人で戦うため、1人あたりのスペースが広く、休みなくロングダッシュを繰り返す過酷な競技だ。日本は男女とも昨秋に行われたアジア予選に勝ち、記念すべき五輪初の7人制ラグビーに出場を決めた。通常のワールドシリーズは1日3試合、2日で6試合を行って順位を決めるが、五輪は男女とも3日間で実施。リオでは開会式翌日の6日から女子が始まる。

 「サクラセブンズ」こと女子7人制日本代表は過去2度の7人制W杯に出場しているが、ともに全敗。しかし今回は「目標は金メダル」と意気軒高だ。その強気を支えるのが「世界一の練習量」。ここ4年間は、年間平均200日という合宿を重ね、砂浜での走り込み、タックル練習、手押し車など体幹強化メニューを反復し、体力強化に励んだ。ラグビーは球技であると同時に格闘技。体格に優る外国チームに対し、運動量で走り勝つのがサクラセブンズのテーマだ。

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大友 信彦

おおとも のぶひこ

1962年5月7日、宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高から早大を経て1985年からスポーツライター。『東京中日スポーツ』『Number』『ラグビーマガジン』『WEBマガジン RUGBY JAPAN 365』などに執筆。著書に『奇跡のラグビーマン村田亙』(双葉社、2005年)、『オールブラックスが強い理由』(東邦出版、2011年)、『エディー・ジョーンズの監督学』(同、2012年)、『不動の魂』(実業之日本社、2014年)など。


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