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大企業OLからNFL
ワシントン・レッドスキンズの
チアリーダーになった美女が語る若者論‼︎

VOL.03:ワシントンでのプロのチアリーダーの生活がはじまりました。ふと「自分とは何か」と考えてしまいました。

 私は誰? 自分とは誰か

 ごぶさたしておりました。連載2回目から今回の3回目までの「あいだ」が3週間も空いてしまいました。実は、このあいだにカレンダー撮影に行っていました。毎朝早くに起きて先輩たちの写真撮影を見学したり、カメラマンの方々のお手伝いをしたり、その中で練習があったりと忙しい日々を送っていました。

 そして、忙しい日々の中、イチローさんが、大リーグでヒットの記録を打ち立てたニュースを観て、自分も「がんばろう!」と思ったところです。

 ところで、洗面所の鏡や練習場のスタジオの鏡に映る自分の姿を見て、「自分とは誰なんだろう?」と考えてしまいました。

 藤本耕平さんが書かれた『「つくす」若者が「つくる」新しい社会』を読み進めていくうちに「若者を理解する」うえでのフックとなる「自分」を確立している点に注目しました。

チアはチームプレイなので、まず「仲間」と知り合うところからはじまります。チーム内では「バディ制度」があり、先輩と後輩がペアアップされ、お互いフォローし合います。写真右は私のバディのJordyn。3年目の先輩です。とても優しくて、たくさんサポートをしてもらっています。持っているのは、お互いの赤ちゃんの時の写真。彼女が持ってる赤ちゃん写真が私です。

 

   つくし世代の特徴「自分ものさし」について

  つくし世代とは、1985年以降生まれのU-31(31歳以下)の若者世代という定義がなされています。この世代の特徴は前回のおさらいにもなりますが、皮膚感覚で「バブル経済」を知らず、でも、「IT化」というネットでの情報通信が「当たり前」であった特徴があります。ケータイ(いまはスマホ)が一人一台普及し、「自分のケータイ」が友だち(社会)につながるための唯一の道具であるような感覚をやはり私自身も感じていました。

 本書の中で「つくし世代は個性尊重教育のもとで育ち、幼いうちから自分の意見を確立させている」とありますが、言われてみれば、私自身も「自分ものさし」をもっている一人かもしれません。

 確かに「押しつけ」られるのは苦手(笑)。今までもあまり常識にとらわれることなく、自分が進んでみたい道を突き進んできました。大学進学の際は、高校時代の留学生活が楽しかったのと、英語を習うのではなく使いたいという気持ちから日本の大学を受けず、カナダの大学を受けたり。今回のNFLへの挑戦も、一流企業を辞めてまで、NFLでチアリーダーをしたいのかなんて思われる方も多いと思います。

 でも、私の中にはまわりと同じである必要はないという「個」の意識があり、30歳の今しかできない「NFLチアリーダー」の道を選びました。そして、気持ちのどこかにいつも、後悔しない生き方をしたいという想いがある気がします。

 これは、後にでてくる「つくし世代」の特徴のもう一つの「せつな主義」、右肩上がりの時代を経験していないがために不確かな未来よりも今の充実を重要視する傾向があると書かれてありますが、そこにもリンクしてくるような気がします。

  つくし世代「その他」の特徴

 その他の特徴の「つながり願望」「ケチ美学」についてもあー、わかる!(この場合だと「それな!」でしょうか)、と思いました。「つながり願望」については、やはり携帯やSNSで常に友達とつながっている状況にあるので、それがなくなったらさみしいという気持ちはあります。海外にいても、日本の友達と隣にいるかのごとくつながれる。

 「ケチ美学」についても、共感。バブルを経験していない世代だけあって、いつもコスパについては考えます。インターネットで安いものを自分でリサーチできる手段も出てきたことも起因していると思いますが。

 そして、本書に「自分にとって本当に必要その価値に納得できるものには大きな出費も惜しみません」とありますが、私の場合NFLを挑戦するにあたり渡航費やダンスレッスンに通い詰めた費用は結構かかりました。ただ、それは本当に必要だと感じたから出せた出費にほかなりません。

チームメンバーと、イベントに出かけた際の写真です。本当に国籍も年齢も「多様な」個性がつながり合うという点でグローバルなチームです。
 
 

 「自分が主役」とは自分自身に正直に!

 自分が主役であると思ったことはないですが、文中の「好きなことをしていたい、自分に正直でありたい。どうせ仕事するなら自分が好きな仕事をした方がいい。そうしないと時間がもったいない」という言葉には同調せざるを得ませんでした。

 前職では海外営業をしていて、ヨーロッパやアジアなどいろんな国のお客様と商談を進めてきました。すごいやりがいのある仕事で、やれることならNFLチアリーダーをしながら、続けたい仕事でした。ただ、自分の年齢と体力を考えたときに、どちらかを選ぶのであれば今は「NFLチアリーダー」でした。

 やれることの選択肢が多い今、時間はいくらあっても足りません。そんな世の中だからこそ、自分に正直に、今できることをやりたいと思ったのです。

 これが、ここまでの感想です。

 読めば読むほど、私自身が「つくし世代」の特徴にあてはまる部分が多くて、びっくりしました。客観的に自分が「何世代」であるかなどと考えたことがなかったので、「つくし世代の私たちってそういう傾向にあるんだ」と妙に納得させられています。

  次回は『「つくす」若者が「つくる」新しい社会』の第2章と第3章について現在の私の生活を交えて考えていきます。

 

橋詰あずさ AZUSA HASHIZUME

1986年、東京都生まれ。幼少の頃よりT.Sダンスワークバレエ教室にてクラッシックバレエを始める。15歳でアメリカ、マサチューセッツ州の芸術学校に留学。バレエとモダンダンスなどを学ぶ。2004年、カナダ、オンタリオ州のカールトン大学に入学、08年同大学心理学学士号取得。09年、三菱電機株式会社に入社。以降、7年間デバイスの国内・海外営業を担当。12年、26歳の時に遅咲きだが、チアリーダーを始める。日本社会人アメリカンフットボール協会「Xリーグ」に所属する「IBM BigBlue」専属チアリーダーに合格。以降、2年目にはバイスキャプテン、3年目にはキャプテンとして、チームをけん引する。2016年、チアリーダーの高みを目指し、NFLの「ワシントンレッドスキンズ」のオーディションを受験。150名の中から8人の合格者の一人として選ばれた。5月10日に三菱電機を退社。翌日にはワシントンに飛び立った。

 

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  • 藤本 耕平
  • 2016.04.09