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蛭子能収「働いてないと不安になる」!?

蛭子能収さん30日毎日連載 Q6.どんな仕事も断らない理由とは?

Q6.どんな仕事も断らないイメージがありますが、その理由とはなんでしょうか?

お金がないと、死んでしまうんじゃないかという不安がある

    断らない理由は「仕事はしなければいけない」というのが根底にあるからじゃないですかね。
   子供のころからよく言われたのが、普通は中学校を卒業したら働かなくちゃいけない。高校に行くお金がある家庭は高校まで、大学までいけるお金や才能がある人は大学まで行く。
   とにかく学校を卒業したら働くんだ、というイメージを子供の頃から親に持たされていまして。親が面倒を見るのは学校行っている間までだよ、と叩きこまれていたんです「常に働いてないと命がなくなるよ」みたいな不安が常にある。
   だからある仕事を辞める時も、次の仕事までのんびり、とか出来ないんですよね。

 

    あとね、子供のころ、うちはなんとか食えてたんですけど、近所の人はけっこう貧乏で。ある年末、明日から正月だっていう12月31日に、近所のおじさんがうちにコートを持ってきて「これ買ってくれませんか」って言うんですよ。どう見てもうちで着る人がいなかったので「いや、そのコートを着る人はうちにはいないのでごめんなさい」って断ったんです。
   そしたら次の日の朝、コートのおじさんが首吊り自殺をしてたんですよ。だからもう最期の望みをかけてうちに来たんでしょう、きっと。

―――それは、もういたたまれなかったんじゃないですか?

   そうですね。そういう思い出があって、「貧乏が怖い」というのが刷り込みになってるのかもしれない。ギャンブルをやるのもきっとそう。

   常にお金を増やしたい、増やしたいと思ってるんじゃないですかね。お金がないとあのお爺さんみたいに自殺するはめになっちゃうんじゃないか、っていう不安があるんですよ。だから熱湯風呂入る仕事でも頼まれると受けちゃうんですよ(笑)。

明日の第七回の質問は『どんな仕事も断らない理由とは?』です。

 

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蛭子 能収

えびす よしかず

1947年10月21日生まれ。長崎県出身。漫画家、俳優、タレント。



長崎商業高校卒業後、看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て33歳で漫画家に。



主な著作に『ひとりぼっちを笑うな』『蛭子の論語』(角川新書)『蛭子能収のゆるゆる人生相談』(光文社)『ヘタウマな愛』(新潮文庫)などがある。



主演映画『任侠野郎』は2016年6月4日より全国順次公開。“4月よりニュース番『AbemaPrime』木曜レギュラーとしてスポーツコーナーを担当。


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