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ワカメちゃんが見た、フランス人の夏休みの過ごし方

もうすぐ待ちに待った夏休み。計画で一苦労している人もいるのでは?そこで、バカンス大国フランス在住30年の長谷川たかこ氏に話を伺いました。

もうすぐ6月突入!!というわけで、否が応でも夏休みがだんだんと近づいていますね。もうすでに計画を立て終わった人も、現在進行中の人も、これから考えなきゃ……という方も、様々いるのではないでしょうか?
国が違えば事情も違うということで、バカンス大国フランスに注目! フランス人はどのようなバカンスを過ごしているのか?と、長谷川町子の姪でワカメちゃんのモデルとなった長谷川たかこ氏に伺いました。

 

長谷川氏が過去のバカンスで訪れた、南仏鷹ノ巣村の一コマ

 

◆どうしてバカンスが長いの?
フランスでは労働者に約5週間の有給休暇が認められています。これは1936年から継続して労働者が勝ち取ってきた権利なのだそう。新しい服や外食を我慢してでも、3度の食事を2度にしてでもバカンスだけは死守する。いくら不況でも、失業者が増加しても、バカンス時にはパリは地元の人が空っぽになるとのこと。

◆フランス人に人気のバカンス地って?
なんとフランス人の約53%が「海」を選び、14%が「山」。残りは海でも山でもない田舎や外国。つまり過半数が、太陽と海の夏らしい夏を求めて出かける。“避暑”ではなく“求暑”なんですね。
この理由はパリをはじめ北フランスで暮らす人々にとっては、冬が長く日照時間が少ない生活を送っているから。しかも、経済的なこともあり約70%は国内を選ぶそう!

◆その予算は?
バカンスの平均日数は、約2週間が多い。
予算は7月組が1人570ユーロ(約7万円)、8月組は742ユーロ(約9万円)。これは8月組の人がリッチだからというわけではなく、交通費も貸しアパルトマンも8月のほうが高いせい。

 

そこまでフランス人が思い入れの深いバカンスに一体何をしていのるかと伺ってみると、「大したことはしない」とのお返事が来ました。
別荘、借りたアパルトマンに滞在して、仕事と日常のルーティンから離れることを何よりも大事にしているそう。
ちなみに別荘といっても、日本でいう別荘ではなく、フランス語では「田舎の家」。安く買った納屋を何年もの歳月をかけて自分たちで改造するのはふつうで、バカンスには日曜大工が含まれるんだとか。

フランス人にとってバカンスは時間があるという贅沢をかみしめるひとときであり、何物にも代えられないものなのですね。

ぜひ、みなさんも日常の喧噪から離れ、あえて今年の夏は「大したことはしない」バカンスを味わってみてください。

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  • 2016.04.26