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中京圏の人にとって、山といえば…

昔から人の生活圏にあった低山は特別な技術は必要なく誰にでも登ることができる。古くから人と関わってきた歴史ある山だから誌歌に歌われたり、小説の舞台になったりしてきた。そんな歴史の面影を愉しめるコースと展望と自然美に感動間違いなしのコースを低山歩きの達人、小林泰彦さんに教えてもらった。

中京圏の人たちにとっての山登りの原点

御在所岳(三重県・滋賀県)

 

高尾山が東京周辺の人たちの低山歩きの原点だとすると、御在所岳(ございしょだけ)を中心とする鈴鹿の山々は、中京圏の人たちにとっての山歩きの原点なのではないだろうか。

 

湯ノ山温泉から登る御在所岳は、岩場も多く、上り下りが多いので避け、山頂まで18分ほどで上がれるロープウェイを利用しよう。観光気分ではあるが、アルペン的景色も楽しむことができ、山頂からさらに先へ足をのばせるので便利である。

 

遊園地のような御在所岳山頂からは国見峠を経て国見岳へと向かう。この山域の特徴である花崗岩の露岩はいろいろな表情を見せてくれるので退屈することがない。中京エリアのロッククライマーのゲレンデとなっている藤内壁(とうないへき)や、ユルギ岩、天狗岩、石門などの岩壁、奇岩群は身近な山とは思えない新鮮な眺めを演出してくれる。

 

クマザサをかきわけて稜線の道を進むが、間近には伊吹山、遠くに南アルプス、中央アルプス、富士山を望むことができる。根ノ平峠から伊勢谷を下り、朝明渓谷へと下山する。したたり落ちる山の水が少しずつ集まって岩を縫う渓谷の流れに変わっていくさまを見ることができ、飽きることなく歩くことができる。

 

御在所岳は標高1210メートルと高さもあり、冬期は多いときには2メートルを越える積雪がみられることもあるので、雪のない、あまり秋が深まらない時期がおすすめだ。標高が高いので防寒対策はしっかりと。

 

●参考コースタイム

御在所岳(20分)国見峠(30分)国見岳(1時間10分)根ノ平峠(1時間5分)朝明ヒュッテ(1時間30分)千草バス停

 

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