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統計から消された、ひきこもる女性たちの実態――『ひきこもる女性たち』5月10日発売!

表面化しない女性のひきこもりの実態に迫るノンフィクション『ひきこもる女性たち』が5月10日に発売されます。

「ひきこもり」問題を追い続けてきたジャーナリスト池上正樹だから言える、日本が抱えている真の大問題とは。話題の最新刊『ひきこもる女性たち』5月10日発売。

「女性の「ひきこもり」は自分だけかと思っていました」

 

 「ひきこもり」という言葉を聞いて、あなたの頭に思い浮かぶイメージはどのようなものだろうか。カーテンを閉め切り、ジメッとした真っ暗な部屋、その真ん中にポツンと佇む一人の人間――。
そして、その顔は男性だろうか、女性だろうか――?

 

 きっと多くの人は「男性」を思い浮かべるのではないだろうか。確かにそれは、れっきとしたひとつの事実である。なぜなら2010年に内閣府が発表した「ひきこもり実態調査」では、その調査における「ひきこもり」の定義に該当する約70万人のうち男性と女性の比率が7:3だったということから、男性が圧倒的な数に上ることは揺るがせない数値だ。けれども、これはあくまで「調査」ということを忘れないでほしい。
そこにはひとつ見落としている視点がある。

 筆者が時々、ひきこもる女性を取材した記事を更新すると、「女性は自分だけかと思っていました」「女性が安心して外に出られる場所がないんです」といった、共感するメッセージが多く届く。さらに、筆者の公開しているメールアドレスには、毎日女性から、何十通もの助けを求めるメールが届く。その数は男性と同数、はたまたそれ以上である。さらにそこには「主婦」という肩書を持っている女性からの相談も多いことが特徴だ。

 これを裏付けるかのように、前述の「ひきこもり実態調査」では「自宅で家事・育児すると回答した者を除く」という対象者の選別があった。そしてそれはメディアがこれまで報道してきた映像や、識者たちが論じてきた対象者も、暗黙のうちに、「ひきこもり」の問題は「男性」のみに生じるとすりかわってきたことにもつながる。

 ◆そもそも彼女たちは、なぜひきこもるようになってしまったのか?

 ◆なぜ、その姿が見えてこなかったのか?

 ◆男性の「ひきこもり」とは何が違うのか?

 これまで誰も指摘せず、可視化されてこなかったひきこもる女性たちの実態。その姿を丁寧に暴いた、渾身の1冊が5月9日登場します。

≪目次≫
第1章 ひきこもるのは男だけじゃない
第2章 彼女たちがひきこもる理由
第3章 主婦は「ひきこもり」ではない?
第4章 彼女たちに必要なもの
第5章 社会とつながるために

 

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池上 正樹

いけがみ まさき

フリージャーナリスト

メディア掲載多数の大注目作!

ひきこもる女性たち大好評発売中

――表面化しない、日本社会の真実がここに。――



~プロフィール~

1962年、神奈川県生まれ。通信社勤務を経て、フリーのジャーナリストに。97年からひきこもり問題について取材を重ね、当事者のサポート活動も行っている。

おもな著書に『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『ドキュメント ひきこもり』(宝島社新書)、『大人のひきこもり』(講談社新書)、『痴漢「冤罪裁判」』(小学館文庫)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)などがある。現在、ダイヤモンドオンラインにて「「引きこもり」するオトナたち」を連載中。



(連絡先)otonahiki*gmail.com *を@に変えてお送りください。


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  • 池上 正樹
  • 2016.05.10