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世界最大級の艦隊が
粛々と日本海へ迫る

日本海海戦と東郷平八郎 第11回

 バルチック艦隊は北進中、海戦で足手まといになる輸送船の大半を上海とサイゴンへ向かわせた。が、シベリア鉄道によるウラジオストックへの補給がしばらく期待できないとの本国からの電報により、すべてを切り離すことは避けた。

 これにより艦隊の主力艦は戦艦8隻、巡洋艦(装甲・1等・2等)9隻、装甲海防艦3隻、駆逐艦9隻の計29隻。このほかに仮装巡洋艦、工作船各1隻、輸送船3隻、曳船2隻、病院船2隻が加わり、全体では38隻を数えた。

 艦隊は2列縦陣で北上を続け、日本海へと迫っていた。

 ロジェストウェンスキー司令官は駆逐艦や水雷艇による夜間攻撃を極度に警戒し、対馬海峡を通るには敵艦隊を肉眼で捕捉できる明け方がいいと考えた。

 5月26日夜、全艦隊に灯火管制を命じた。ただし味方同士での衝突を避けるために確認のための灯火は許された。最後尾の病院船アリョール(オリョール、アリヨールとも。同名の戦艦もある)だけは戦時国際法で攻撃されないと安心していたのか灯火をつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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松田 十刻

まつだ じゅっこく

1955年、岩手県生まれ。立教大学文学部卒業。盛岡タイムス、岩手日日新聞記者、「地方公論」編集人を経て執筆活動に入る。著書に「紫電改よ、永遠なれ」(新人物文庫)、「山口多聞」(光人社)、「撃墜王坂井三郎」(PHP文庫)など。


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