「今の人たちは食に対して贅沢になりすぎている」 土光敏夫が教える清貧の思想 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「今の人たちは食に対して贅沢になりすぎている」 土光敏夫が教える清貧の思想

【連載】「あの名言の裏側」 第2回 土光敏夫編(2/4)“メザシの土光さん”の真相

土光氏は続けて、このように説いています。
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食は本来、必要最小限の物を摂取すればいいと僕は思っている。最近は三〇代や四〇代で糖尿に苦しむ人が多いそうだが、栄養失調も困るけれど栄養過多はもっといけない。古来、“食過ぎて死ぬ者あるも、食適当にして長寿者多し”という訓えもある。(『土光敏夫大事典』より)
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また、自著『信念の言葉』には、次のような一節が登場します。
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年をとってもビフテキなんか食べている連中の中には、栄養過多のせいか、糖尿病に悩んでいる人が少なくない。 

そういう人をみると、「あんたたち、高いカネをかけて、いったい何をやってんだい」と、つい皮肉をいってしまいたくなる。
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なんとも耳が痛い指摘です。とはいえ、何事も自身の行動で示し、他の者に求めるならまずは自分が率先して実践する、という姿勢を一貫して取り続けた土光氏の言葉だけに、素直にこうべを垂れるしかありません。
文/漆原直行

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漆原 直行

うるしばらなおゆき




1972年東京都生まれ。編集者・記者、ビジネス書ウォッチャー。大学在学中より若手サラリーマン向け週刊誌、情報誌などでライター業に従事。ビジネス誌やパソコン誌などの編集部を経て、現在はフリーランス。書籍の構成、ビジネスコミックのシナリオなども手がける。著書に『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』、『読書で賢く生きる。』(山本一郎氏、中川淳一郎氏と共著)、『COMIX 家族でできる 7つの習慣』(シナリオ担当。伊原直司名義)ほか。

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