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戦艦大和をつかった
沖縄殴り込み作戦を立案

戦艦大和の特攻作戦と神重徳大佐 第3回

 草鹿は作戦には反対だったが、ここに至って「一億総特攻」の先駆けとなるよう、第2艦隊司令長官の伊藤整一中将(戦死後に大将)の説得にあたった。伊藤はこれを承諾した。

 沖縄守備隊の第32軍司令官の牛島満中将(戦死後に大将)は、「制空権が確保できない本島に挺身攻撃するのは至難」として、水上特攻作戦に反対した。これは合理的な判断だったが、司令部は特攻一本槍の考えを改めはしなかった。水上特攻は沖縄戦を支援する航空機による大規模な特攻「菊水作戦」の開始に呼応して実施されることになった。

 4月5日、連合艦隊司令部は「大和」に出撃命令を下した。艦長の有賀幸作大佐(戦死後に中将)は出撃を前に海軍兵学校、経理学校を卒業したばかりの候補生73人を退艦させた。

 

 

 

 

 

 

 

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松田 十刻

まつだ じゅっこく

1955年、岩手県生まれ。立教大学文学部卒業。盛岡タイムス、岩手日日新聞記者、「地方公論」編集人を経て執筆活動に入る。著書に「紫電改よ、永遠なれ」(新人物文庫)、「山口多聞」(光人社)、「撃墜王坂井三郎」(PHP文庫)など。


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