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上原浩治に聞く Q.21 上原さんにとっての理想の上司は誰ですか?

かけがえのない上司とはどういう人か? 一流の心にとどまる指導者の一言とは?

前回、若い選手についてお話をうかがいました。では、上原さんが若いころ、そしていま、代わりのいない存在であった上司とは誰だったのか。その理由とともに聞いてみました。

村田さんからの金言

――上原さんにとって理想の上司はだれでしょうか?

理想の上司と言うとなかなか、僕にとってかけがえのない存在になるのは原(辰徳)さんですね。入団したときはコーチとして、その後は監督としてずっとそばにいてくれた方なので。日本に帰ってきたから必ず挨拶をしています。必ず会いたい人と言えばいいのかな。

――オフに決まって会われる方はいるんですか?

ほとんど野球界の人になりますね。原さん、村田(真一)さんはいつもご飯に行かせていただきます。ほかには、(高橋)由伸とか、田畑(一也)さん、森中(聖雄)さん、豊田(清)さんとか。みんなご飯を食べて、いろいろな話をして。

――年上の方が多いですが、やはり学ぶことは多いですか。

そうですね。村田さんに言われたことでいまでも覚えているのは「どんなに偉いOBや先輩に食事に誘われたとしても、治療を第一に考えろよ」ということ。あの言葉があって、いまの僕があると思っています。

前に、メジャーでも誰かと食事に行くことはほとんどないと言いましたけど、何より治療を優先するためでもあります。1時間かけてやるので食事に行ってしまうとできなくなってしまう。野球界で成功された方の言葉ですから、野球で成功したい僕にとっては大事な言葉だったと思っていますね。

――そういうアドバイスは、部下や年下の人間にとってはとてもモチベーションになると思います。

そういうコミュニケーションは大事だと思いますよ。年下の人間からすれば、やっぱり先輩や上司に対してはなかなか声を掛けづらいもの。その点僕は、先輩方から声を掛けてくださったから、それはとても大きかったと思いますね。

――どういうふうに声を掛ければ?

ふつうに世間話でいいんですよ。やっぱり話している、ということが安心感みたいなものを与えると思うんですね。ビジネスマンの方もそうじゃないですか? 

上司になる人というのは部下に声を掛けてあげるべきだと思いますよ。小さな一言や世間話、なんでもいいわけです。

「あ、おれのこと気にしてくれているな」というふうに思えるだけで、だいぶ違う。部下がそれでやる気を持つはずなんです。そうやって部下の人が一生懸命頑張れば、後輩からの信頼も得られて結果も良くなってという良いサイクルになるんじゃないですか。


明日の第二十二回の質問は「Q.22 セカンドキャリアについてどう考えていますか?」です!


 

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



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