いま55歳以下のキャリア女性たち
「均等法第一世代」は社会的に
「幸せ」になれたのだろうか?
 答えは、NOだ
 ただし「第一世代の子供たち」は
 男女平等はもはや常識になった
 その道を築き上げたのが第一世代の
 《象徴》皇后の生き方だったのだ

 1986(昭和61)年に施行された男女雇用機会均等法(以下、「均等法」と表記)が適用された第一世代。当時、就活・就職をしていた20代女性たちの「現在の幸福観」を問うた書籍『消えたお妃候補たちはいま』を書いた小田桐 誠氏に“女性の生き方”について語ってもらった。
 

 総勢70名のお妃候補たちへ追跡取材をすることで、「仕事と結婚」の間で揺れる女性たちの人生はいかにあるべきかを世の中に問題提起することがねらいである。その自己と社会との狭間で「葛藤」の中心に立っていたのが、皇后雅子さまであったことは確かであろう。

 

■均等法第一世代は幸せなのか

 内閣府の定義によると、「均等法第一世代」とは、86年〜90年の間に一部上場企業に総合職(キャリア)として採用された女性たちのことだ。彼女たちは男性と「平等」に社会で活躍されることを期待された女性たちで、現在55〜50歳になっている。ちょうど皇后がまさにその世代に当たる。

 ところで第一世代の女性たちは、「社会的に幸せ」になれたのだろうか? 具体的には会社の枢要な管理職の地位に立ち、その能力を経営的に十分に生かし切れたのだろうか?

 答えはノーだ。4・2%。「上場企業3490社の女性役員比率」(「東京商工リサーチ」19年4月公表)によれば、10%にも満たず。33年前の均等法が目指した「男女共同参画」社会の実現はまだ程遠い感がある。

 つまり、結論から言えば、社会的なキャリアとして「まだまだ十分幸せでない」と言えるだろう。政府目標である「10%の壁」はいまだ遥かに高い。

 この壁は、女性の結婚、出産適齢期と自身の仕事、キャリアの成長期が重なるからであり、そこに「子育て(産休)」のブランクが入れば、どうしてもキャリアの構築が遅れてしまうのであろう。ましてや今でこそ「常識」となった女性の働き方への理解=「産休・育休制度」も第一世代にとっては適用されていない現実もあったのだ。

 均等法の理念はよし。しかし、受け皿としての社会が、女性管理職を育てる準備ができていなかった、というのが本当のところだろう。しかも、均等法第一世代には、目指すべきロールモデルもなく、自身で「答え」を見つけ出さねばならなかったのが事実だろう。

 こうした過酷な環境を生き抜いた女性たちの多くが、今や「母親」として大学生くらいの子供たちを育てている。