■執筆は100%の自分を出せる場

――本を書くのって、コントや漫才を作るのとまた違う苦しさがあると思うんです。決して高額な報酬を得られるわけでもない。でもこんなにも力を入れて書く。そのモチベーションはどこにあるんでしょう

吉田 テレビだったら、もし自分が面白くないように映ってても、それはどっかで編集のせいにできる。ウケなくても「あぁ~、そういうつもりじゃないのにな」って。でもコレは完全な白紙を任されている。まったく言い訳できひん(笑)。逆にテレビで多少自分がおもろないようになってる回が続いたとしても「俺にはコレがある」とは思ってました。「ここでの俺がほんまの俺や」という場としてずっと位置づけていたので。

――なるほど。書き物をする機会というのはかなり大事にされていた。

吉田 そうですね。ここでアカンかったら僕のせい。100%僕のせいなんで。逃げ場のない、言い訳でけへん場でした。まあだからこそ……もう5年で限界がきました。しんどいなぁ~なんでやってんねやろっていうのは毎月思ってて。ただ、書きだして原稿にできたときの充実感っていうのは、ちょっと他の仕事ではない。だから俺すごいなって何回も思うんです(笑)。

――今回の吉田さんのエッセイですごいなと思ったのが必ずオチがあったことでした。

吉田 決められた分量が、毎月原稿用紙最低8枚っていう約束やったんです。で、言いたいことだけ書いて「今月もうこれでええかな」って思ったこともあるんですよ。でも、それはしなかったですね。書きあがったやつ見て「ああ、これまあ言いたいこと言うてるけど笑うところがないよな」って思った時は、もう全部書き直して。「警察が来て一生懸命犯人を捕まえてくれなかったらイヤやな」「医者が手術するときに手抜いたらイヤやな」そんなことを勝手に思ってました(笑)。

――面白い表現です。吉田さんの場合は芸人として、そこは譲れなかった。

吉田「俺いま医者だとして、このまま腹閉じたらちょっと中途半端な状態で手術終わってしまうな」って思ったらもう書き直して。「はい、できた」ってなるまでやってましたから。そしてできたものは異常ツイートして、どぶ板告知していきます。

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