自分で視聴を選択した人たちすら視聴できない状況

 

及川―――音楽業界も多かった。バブルの頃はこぞってロス(L.A.)にレコーディングに行くんだけど、そういう奴らは大抵マリファナやコカインをやってる。私の目の前でキメてる人もいたからね。でも、「じゃあ私も」とはならなかった。私は麻薬とギャンブルには絶対に手を出さないと決めてたんですよ。というのも、自分は一度やったら間違いなくハマってしまうと思っていたから。

 

松尾―――クセになると自覚してたんですね(笑)。

 

及川―――そう。周囲の人たちのハマリ方を見て、「自分だったら、貯金を使い果たすくらいハマるのでは?」という恐怖感があったから、コカインを勧められたときも、迷うことなく「いらない」と断れたんです。

 

松尾―――僕は興味がなかったというか、らもさんの『アマニタ・パンセリナ』を読んで、分かった気になってました。「こんな非効率なモンないわ、俺はいらん」と。もしも、麻薬を摂取することで素敵な発想を思いついたとしても、麻薬自体がリスキーすぎますからね。

 もちろん、ウィリアム・バロウズのような麻薬依存症で鬼才の作家という人もいます。でも、僕は彼のようなタイプは、きっと麻薬を使わなくても名作を生み出せると勝手に思っているんです。

 

及川―――松尾さんは、昨今の自主規制についてどう感じてます? たとえば、ピエール瀧さんの逮捕でCDを自主回収するとか……。

 

松尾―――オモロかったのは、NHKがピエール瀧さんの出演番組を急遽差し替えて、リバー・フェニックスが出ている映像を流したことです。薬物事件の逮捕者の映像を自粛して、薬物中毒の過去を告白している人物の映像を流すって、どんな基準で何を判断しての差し替えだったのか、と(笑)。

 

及川―――たしかにね(笑)。何で、こんなに厳しくなっちゃったんだろう。みんな忘れてるかもしれないけど、槇原(敬之)君がシャブで捕まったときも、CDが自主回収されてたよね。