昨今「土偶女子」などと称される若い女性を中心に、「縄文ブーム」が起こっている。昨年開催された東京国立博物館(東京・上野)特別展「縄文―1万年の美の鼓動」の入場者は、35万人を突破した。そんな中、縄文晩期を舞台とする小説『天孫降臨』(花伝社)を原作とする歴史エンタメ漫画『新日本縄文書紀』(KKベストセラーズ)が上梓。その原作者・信太謙三氏が「縄文」の魅力を語った。

 

 

 近年、縄文ブームという現象が起きており「土偶女子」といった言葉が生まれ、若い女性を中心に多くの人たちが日本各地の縄文遺跡や展示館を巡っているそうだ。

 昨年の東京国立博物館の特別展「縄文―1万年の美の鼓動」には合計35万を超える人が駆け付けたという。いいことではあるが、私には、この縄文ブームの陰に現代人の寂しさや将来に対する漠然とした不安があるように思えてならない。

 物質的な豊かさの中で人間関係が希薄になり、急速に進化するAI(人工知能)が人間にとってかわるのでないかといった漠然とした不安を抱く現代人には、燃え立つような火炎土器や多産・豊穣を祈ったとされる豊満な土偶をつくり上げた生命力あふれる縄文人が何とも魅力的に映るのである。


 『歴史まんが 新日本縄文書紀』の舞台は稲作が伝来して社会が大きく変わっていった縄文時代晩期(約3000~2300年前)。稲作によって富の蓄積が可能になり、貧富の差が拡大。土地や水を巡る争いが頻発し、人手を要する稲作を指揮し、戦う男たちを束ねる強力な指導者が生まれ、集落国家が誕生し、それがまとまって大きな国家が形づくられていった。主人公の一人ポポは戦乱の中国大陸から逃れてきた華人を父とし、倭人である森の民を母として生まれた巫女。もう一人の主人公は朝鮮半島からの渡来人や倭人海人族(あまぞく)の血も引くポポの大甥タケで、ポポに育てられて成長し、九州北部の占領を目指す半島のカラ国と戦い、日本で最初の国家を造り上げていく。女装あり、大地震あり、大海戦ありの大スペクタクル歴史エンタメ漫画に仕上がっており、読者の方々に十分に楽しんでもらえると確信している。