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会社の利益よりまず個人。そう思い至った経営者の“手痛い過去”

大賀康史氏インタビュー<後編>

■起業ブームについて思うこと

 最後にいまの起業ブームについてもお話しさせてください。

 わたしはどんどんブームになるべきという考えです。数が質を作る面もあるので、日本全体としてももっと多くの人に起業してもらいたい。

 これから個人のキャリアにおいて起業経験が評価される時代になると思います。流行に乗ってとりあえず…という人は周りからも見抜かれますが、1年間、3年間、10年間やっていればその努力は必ず伝わります。

 ただ、日本には起業家を追い込む制度があるのは確かで、その点は留意していただければと思います。最近ではかなり減ってきてはいますが、「連帯保証」とか「買取条項」という慣習があります。複雑な条件で発動するのですが、大まかにいうと当初の約束が果たせなければ、投資を受けた金額より経営者個人がはるかに多くのお金を返さなければいけない、という条項です。有限責任のはずの株式会社の設立が実質的に無限責任になっていて、日本独特の慣習と言われています。

 これからはもっと社会全体で起業を応援するムードになってほしいですね。私自身は「社会的意義のある事業をしたい」という想いを大切にして起業しましたが、「かっこよさそうだから」「幸せになりたい」「世界の人々をもっとよくしたい」どんな動機でもいいと思います。自分の気持ちに素直であることが何より重要ではないしょうか。

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大賀 康史

おおが やすし

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。著書に『最高の組織』(自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。


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