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会社の利益よりまず個人。そう思い至った経営者の“手痛い過去”

大賀康史氏インタビュー<後編>

■個人をもっと尊重しよう

 その後、たった2人になった会社にも勇気を振り絞って入社してくれる方があらわれました。そこからは、入社してくれる人に対してそれぞれの希望を聞き、入社後にそれを達成するように努めたのです。長所があって、苦手なことがあって、不完全かもしれないけど尊い人生を生きている。そんな個人をまず尊重していこうと。いまではメンバーが20人まで増えましたが、その思いは変わらずひとりひとりに最大限活躍してもらいたいと思っています。

 会社のミッションと個人の願いが、完全な包含関係ではなくとも一部でも接点が作れれば、それが会社として発展していく道のはずだ。人間がベースにあって、それが経済合理性として成り立つ組織とはなんだろう。そんなことを考えて『最高の組織』という本にまとめました。

 本の内容、そして私の経営者としての思想において他と違う点があるとすれば、会社の利益と個人が大切にしていること。どちらを優先するかということでしょうか。多くは当然会社としての利益を最優先しています。コンサルタント時代に関わった会社もそうでした。一方、私はいまお話ししてきたようにひとりひとりの生き方や価値観を大切にしていきたい。そうした組織はこれからますます増えていくんじゃないかなと思っています。

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大賀 康史

おおが やすし

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。著書に『最高の組織』(自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。


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