「ワールドカップの自国開催を終えた後、日本ラグビー界は衰退してもおかしくない」と警鐘をならすのがラグビー愛好家でメディア関係者の榊良太郎氏。精力的な現場調査を通して氏が見てきた、日本ラグビー界の構造的問題。サンウルブズのスーパーラグビー除外を引き起こした、協会の消極的姿勢とは。怒りの告発。

■スーパーラグビー参戦がもたらしたものは大きかったが…

 日本協会への怒り。いまはそれしかない。

 ニュージーランドを始めとした、強豪国のプロクラブがしのぎを削るスーパーラグビー。2015年ワールドカップイングランド大会の、ベスト4中3カ国の代表チームが参加する一流リーグだ。そのスーパーラグビーから、日本の「サンウルブズ」が脱退させられることが決まった。

 日本の参戦が決まったのが、2014年。

 同リーグを運営するサンザー(SANZAAR 南アフリカ〈South Africa〉、ニュージーランド〈New Zealand〉、オーストラリア〈Australia〉、アルゼンチン〈Argentina〉各協会の集合体)が加盟チーム数を増やすと決めた2013年、日本協会が手を挙げた。ナショナルチーム強化のためだ。晴れて、2016年から5シーズンの参戦権をもぎ取った。

 サンウルブズは、前年までの3季で6勝とやや低迷。しかし、果実は大きかった。日本代表に準じるメンバーが、世界トップレベルのフィジカルバトルに慣れた。そして2017年からは戦術やスタッフ陣を代表チームと共有。現場の選手やコーチは、他国代表と戦うたびに“スーパーラグビー効果”を口にしていた。

 現日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチも「日本ラグビーがこの先も国際舞台で戦いたいならスーパーラグビー参戦というパスウェイが必要と感じます」と言った。

 まるで海外でラグビーを観ているような、エンタメ感あふれるホームスタジアムの明るい雰囲気は新たなファン層もひきつけた。

 日本のスーパーラグビー参戦は「意思決定者の人選さえ間違えなければ、メリットが多い」と見られていた。

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