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スマホの使いすぎが脳を壊す。ビジネスマンこそ適度な距離をとれ

まずは電車・ベッド・トイレのスマホ使用をやめてみよう

■「スマホ脳疲労」の解決策とは?デフォルトモードのススメ

 すべきは、脳をワーキングモードからデフォルトモードネットワークが働くように切り替えること。

「デフォルト」という英語は直訳すると「初期的」とか「基本的」となりますが、要は脳を「使っていない」と思われている状態です。具体的に言うと、シャワーを浴びていたり、ぼーっと電車に乗っている時がこれにあたります。

 ビジネスマンであれば休み時間などに意識的に、ぼーっとする時間を作ってみましょう。本当は昼寝をしてしまうのがいいのですが、それができないときは腕組みをしてなにか考えるフリをする。あるいは、“マインドフルネス”のように、目をつむって深い呼吸をして、心を整えてみるのもよいでしょう。

 ちなみにこのデフォルトモード、思わぬ効用もあります。脳の中にたまっているメモリを整理してくれたり、アイデアが生まれたりするのです。

 かのアインシュタインはひげそりの瞬間に、重要なアイデアを思いついたというエピソードも残っています。また中国では古来、アイデアの「三上」が唱えられてきました。これは、馬上(馬に乗っているとき)・枕上(寝床に入っているとき)・厠上(便所に入っているとき)に文章のアイデアを思いつきやすいという欧陽脩の言葉によるものです。馬上は現代では電車になると思いますが、この三上でスマホから離れることができれば、仕事の新しい企画が生まれる可能性も。ぜひお試しを。

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枝川 義邦

えだがわ よしくに

早稲田大学研究戦略センター教授。東京大学大学院を修了して薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールを修了してMBAを取得。早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。脳の仕組みや働き、人間の行動などについての執筆や講演なども多い。2015年度早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年度ユーキャン新語・流行語大賞を受賞。一般向けの著書に『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)、『記憶のスイッチ、はいってますか』(技術評論社)、『「覚えられる」が習慣になる!記憶力ドリル』(総合法令出版)など。


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