■宝塚デビュー

 直江兼続が大河ドラマの主役だったころの話だが、古巣の出版社から『新説前田慶次』を上梓した。そんな関係から、雑誌歌劇のインタビューを受け、宝塚大劇場雪組公演『一夢庵風流記 前田慶次』~戦国時代を駆け抜けた傾寄者―前田慶次の虚実に迫ると題した記事が掲載されたことがあった。

雪の金沢城
慶次は金沢城下の屋敷に叔父利家を招き、水風呂に入れて出奔。劇の序盤には、そのシーンが描かれる。

 インタビュー記事の末尾には、ヅカデビューを飾ることを公約。東京での公演を予定していたのだが、どうせなら本場宝塚へという野望が芽生え始めた。
日本各地で台場の探査を計画し、台場の位置や古図面の所蔵先の確認していたところ、天気には左右されないことから「そうだ宝塚行こう!」と目的地を変針。

 新横浜から新幹線で京都へ。嵐山では老舗の和菓子屋で、さくら餅を購入という意味不明の行動。京都市内の銭湯入浴後、大阪へ移動して銭湯入浴。意外と割安なベイエリアの高層ホテルに宿泊。翌日には宝塚へ移動。宝塚大劇場の周囲を観察していると、入り待ちのファンを発見!数分待機していると、スターが登場。

 
入り待ちの光景
宝塚スターのアップも撮影したものの、安全策で遠目の後ろ姿。

 大劇場に入ると、そこはワンダーランド。グッズ売り場は、これでもかという品揃え。私の場合、1000円でお釣りがくる程度の買い物ですます。平日の13時開演なのに、収容数約2500の大劇場は、ほぼ満席。女性9割。残りの1割の男性は夫婦連れ。または修学旅行の男子生徒。そんな状況において、おじさん一人は、さらし者状態。

心霊写真状態の自撮り写真 雑誌『歌劇』に掲載される写真は女性だらけにもかかわらず、こちらにも自撮り写真掲載。

 観劇中の昼寝ほど気持ちよいものはなく、ちょくちょく記憶が飛ぶ。合戦シーンでは、源平時代の甲冑しか手持ちがないらしく、戦国時代には無理がある装備を身に付けて役者さんたちが登場。

 というように突っ込みどころもあるものの、ヅカデビューに後悔はなく、のめり込む心理も理解できた。ただ更新されない思い出は美しく、一生に残る思い出となるのだろう。