イラスト/池畠裕美

頸椎にアプローチすることで全身の歪みをとって不調改善

「せっかく施術を施しても、また同じ症状を訴えて再来院される。そんな患者さんに対して、どうしたら快適な日々を送っていただけるのか。そんな思いから考えついたのが、タオルを使ったセルフケアの方法なんです」

こう語るのは、ABC整体スタジオ・総院長の熊谷剛さん。

「一人の施術者が治せる人数には限りがあります。でも、より多くの人の不調を改善したい。ならば、どうしたらいいのかと考えながら治療を続けてきました。その臨床の中から行き着いたのが、寝るだけで首の第一頸椎にアプローチして、体の歪みを改善するということなんです」

人間の背骨、つまり脊椎は、下から5つの腰椎と12の胸椎、7個の頸椎で構成されている。中でも最も細い頸椎が、約5Kgにもなる頭部を支えている。つまり第一頸椎は、日常的に大きな負担を強いられていることになる。

「特に第一頸椎と第二頸椎の間には椎間板がありません。つまりクッションの役割をするものがないので詰まりやすいんです。詰まると脳血流が悪くなり、神経の通りも悪くなります。それらが原因となって、体のバランスが崩れて歪みとなり、全身の不調へとつながってしまうというのが私たちの整体の考え方です」

これは熊谷さんがこれまで治療を行う中で導き出されたものだ。第一頸椎と第二頸椎の詰まりを解消し、全身への血流や神経系の流れを良くすることで、不調を改善していく。

「私の施術は、基本的に30分です。それで改善される方もいますし、運動が効果的な人もいます。でも、一週間を分数に換算すると1万30分です。1回の施術が30分だとしたら、患者さんは残り1万分、99・7%は日常生活ですよね。私たちがアプローチできるのは、わずか0・3%。治すきっかけしか作れないのです。そこで患者さんが自ら日常的に実施でき、不調を改善する方法はないだろうかと考えて、睡眠時間でケアできる枕を思いつきました。開発過程で、高さや硬さの具合を調整するときにタオルを使ったのです」

それがきっかけで生まれたのが、バスタオル3枚を使った、10分間の『寝るだけ整体』なのだ。

※タオル枕の作り方などは、一個人3月号をチェック!

監修/熊谷剛さん
一般社団法人疲労回復協会会長、ABC整体スタジオ総院長。2009年に整体院を開業。その後、多くの人たちの不調を改善したいと、整体枕を開発。著作に「わずか10分寝るだけ整体」(海拓舎出版)など。