「中高年になって、“性”の衰えを感じる」、「70歳を過ぎたが、まだまだ“性”を楽しみたい」……世の男性の多くは、若い頃とは変わってきた“性”の悩みを持っていることでしょう。そんな中高年の性の悩みに、80歳を超えてなお元気な医学博士•志賀貢先生が、『男を強くする! 食事革命』より、食事で“性”が強くなる方法をアドバイスします。
 

男(性)の強さはコレステロールのバランスで決まる!

●Q:中高年以降に多い高血圧。「強い精力」にどう関係してきますか? 改善法は?

中高年に多い高血圧は精力にも影響する…。

●A:男の強さはコレステロールのバランスで決まる!

人間の本能の食欲と性欲の中枢は、脳の視床下部という部分にあります。性中枢と摂食中枢は極めて近い距離に隣り合って存在しています。そのため、互いに影響を及ぼしあっています。

この性中枢に対して、主として睾丸で生成されるアンドロゲンが重要なはたらきを担っています。アンドロゲンの生成にはコレステロールが欠かせない物質なのですが、このコレステロールの摂取については、必要量を大幅に下回ると睾丸でのアンドロゲンの生成が減少します。そのために性中枢を始めとして、性欲や精力に関わる機能が低下してしまうことになります。EDなども当然起こりやすくなってきます。

したがって、生理学的に必要と決められたコレステロールは、毎日欠かさず食物から摂り入れるようにしなければなりません。その一方で、コレステロールを過剰に摂り入れると、今度は動脈硬化が進行して、高血圧症や脳梗塞、さらに心筋梗塞などの病の予備軍になってしまう心配が起きてきます。

つまり、男の体にとって、コレステロールは極めて重要な成分ではあるのですが、その体の中でのバランスに常に気を遣い、少なすぎず多すぎずという目安をしっかりと覚えておき、日常の食生活でも気をつけてバランスのとれた食事を摂るようにしなければならないのです。

性が強くなる秘訣は和食にあり!

バランスのとれた食事は、和食が世界一といわれています。体の正常な生理バランスの状態を保つためには、炭水化物・脂肪・タンパク質の三大栄養素はもちろんのこと、ミネラルやビタミン類などを、満遍なく摂取する必要があります。しかもこれらの栄養素を毎日摂取することが、食事の基本中の基本なのです。

和食の場合には、実に食材が豊富に使われていて、今述べたような体に大切な

バランスがとれた食事は和食が世界一。

栄養素は、知らず知らずのうちに食べていて、体内に取り込まれているものです。朝食によく登場する白いご飯と味噌汁、納豆・ほうれん草のお浸し・目玉焼き・きゅうり、なす、白菜、大根などの季節の漬物が添えられると思います。この朝食だけを見てもわかるとおり、ご飯から炭水化物が十分に摂取されます。味噌汁や納豆は大豆製品ですから、植物性のタンパク質を摂取することができます。それに、一日一回は口にした方がよいと勧めている卵がつき、お浸しと野菜類の漬物がビタミン類を補充してくれるでしょう。

昼食は、例えば、天ぷらそばを食べたとしましょう。この日本人が好んで古くから食べているそばは、ビタミンB1とルチンというポリフェノールの一種である物質が含まれている、いわば健康食品です。白米ばかりを食べていては、ビタミンB1欠乏症に陥りますからお勧めです。

ルチンには、抗酸化作用があり、毛細血管や動脈を始めとする血管を強くするはたらきがあり、その結果、高血圧症の予防に役立つことがわかっています。また、このそばの付け合わせに出てくる天ぷらのエビや季節の野菜からは、ミネラルやビタミン類を摂取することができます。

そして夕食ですが、お惣菜として焼き魚・酢の物・野菜の旨煮、それに冷ややっこや湯豆腐などの豆腐料理がつくことが多いかもしれません。この夕食でも、タンパク質やミネラルやビタミン類を過不足なく摂取できると思います。

このように、我々の一般家庭で口にする和食は、実にバランスの取れた食事といえるのではないかと思います。

新書『男を強くする! 食事革命』をもとに作成。